一関市議会 2020-12-14
第80回定例会 令和 2年12月(第4号12月14日)
第80回定例会 令和 2年12月(第4号12月14日)
第80回
一関市議会定例会議事日程 第4号
令和2年12月14日 午前10時 開議
日程第1 一般質問
本日の会議に付した事件
議事日程第4号に同じ
出 席 議 員(29名)
1番 岩 渕 典 仁 君 2番 佐 藤 幸 淑 君
3番 永 澤 由 利 君 4番 小 岩 寿 一 君
5番 岩 渕 優 君 6番 武 田 ユキ子 君
7番 那 須 茂一郎 君 8番 門 馬 功 君
9番 佐々木 久 助 君 10番 佐 藤 浩 君
11番 千 田 良 一 君 12番 佐 藤 敬一郎 君
13番 菅 原 巧 君 14番 岡 田 もとみ 君
15番 菅 野 恒 信 君 16番 千 葉 信 吉 君
17番 金 野 盛 志 君 18番 勝 浦 伸 行 君
19番 小 山 雄 幸 君 20番 千 田 恭 平 君
21番 千 葉 大 作 君 22番 小野寺 道 雄 君
23番 橋 本 周 一 君 24番 藤 野 秋 男 君
26番 岩 渕 善 朗 君 27番 千 葉 幸 男 君
28番 佐 藤 雅 子 君 29番 沼 倉 憲 二 君
30番 槻 山 隆 君
職務のため出席した事務局員
事務局長 佐々木 裕 子 事務局次長 熊 谷 善 孝
局長補佐 千 葉 麻 弥
説明のため出席した者
市長 勝 部 修 君 副市長 佐 藤 善 仁 君
副市長 髙 橋 邦 夫 君 市長公室長 石 川 隆 明 君
総務部長 鈴 木 淳 君
まちづくり推進部長
佐 藤 孝 之 君
市民環境部長 千 葉 敏 紀 君
保健福祉部長 佐 藤 鉄 也 君
商工労働部長 森 本 竹 広 君 農林部長 小 崎 龍 一 君
建設部長 鴫 原 吉 隆 君
上下水道部長併任上下水道部長
鈴 木 伸 一 君
花泉支所長 中 川 文 志 君
大東支所長 今 野 薫 君
千厩支所長 橋 本 雅 郎 君
東山支所長 熊 谷 芳 広 君
室根支所長 千 葉 伸 君
川崎支所長 八重樫 裕 之 君
藤沢支所長 佐 川 伸 君
会計管理者 鈴 木 美 智 君
消防本部消防長 菊 地 和 哉 君 総務部次長 佐 藤 正 幸 君
藤沢病院事務局長 鈴 木 和 広 君 教育長 小 菅 正 晴 君
教育部長 菅 原 春 彦 君
農業委員会会長 伊 藤 公 夫 君
農業委員会事務局長 小野寺 英 幸 君
会議の場所
一関市議会議場
開会時刻 午前10時30分
会議の議事
○議長(槻山隆君) ただいまの出席議員は24名です。
定足数に達していますので、これより本日の会議を開きます。
本日の会議には、市長、教育長、
農業委員会会長の出席を求めました。
議場での録画、録音、写真撮影を許可していますので、御了承願います。
○議長(槻山隆君) これより議事に入ります。
本日の議事は、お手元に配付の議事日程第4号により進めます。
○議長(槻山隆君) 日程第1、一般質問について、これより順次発言を許します。
質問にあっては、答弁時間を考慮され質問されるようお願いします。
また、答弁に当たりましては、答弁漏れのないように、あわせてお願いします。
岡田もとみ君の質問を許します。
岡田もとみ君の質問通告時間は40分で、一問一答方式です。
なお、図画図書の使用の申し出があり、これを許可しております。
14番、岡田もとみ君。
○14番(岡田もとみ君) おはようございます。
けさは降雪で1番の方がまだいらっしゃらないということで順番が繰り上がりましたので、どうぞ、よろしくお願いいたします。
日本共産党の岡田もとみでございます。
通告に沿って質問をいたします。
新型コロナウイルス感染症対策や
高齢者支援策についてお聞きいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
初めに、
新型コロナウイルス感染症対策の充実について質問いたします。
1点目は、発熱等の症状があっても、なかなか
PCR検査に行き着かないという現状についてです。
この間、発熱等の
問い合わせ先については、一関保健所だけではなく、
かかりつけ医でも可能とするよう提案を行い、改善されてきた部分もありますが、こと
PCR検査については、発熱等の症状があってもなかなか受けられない、経過観察と言われて不安だとの市民の声が寄せられていました。
市内で最初に
新型コロナウイルス感染症に感染した方についても、行動歴を見ますと、発熱等で
市内医療機関を複数回受診していたにもかかわらず、結局、救急搬送先で
PCR検査を受け、ウイルスが検出されたということです。
既に、感染症の専門家の方々が指摘しておりますが、感染防止には速やかな検査と検査数の拡大が必要です。
こうした取り組みが今求められていると考えますが、実態はどうなっているのかお聞きします。
2点目は、親元を離れて県外の大学等に通っている学生の
PCR検査についてです。
新型コロナウイルス感染症の影響によって大学は長期休業、学生はバイトが減り、実家にも帰れず、子供たちの実態は想像以上に深刻だと伺いました。
大学1年生の方は、半年以上、頼れる方もいない土地でひとりぼっちの生活を強いられており、心配する親御さんは帰省させるために
PCR検査を受けさせたとのことです。
大学から補助が出たそうですが、それでも自己負担は2万円かかったと話しておりました。
新型コロナウイルス感染症によって国民の命と暮らしが脅かされています。
安心な移動をどう確保するのか、本来であれば国の責任で対応すべき問題だと捉えているところではありますが、文部科学省において肝心の
感染症対策への財政措置はほとんどないと聞いております。
せめて、子供たちが地元に帰省するなど、安心して移動するために受けた
PCR検査の自己負担分について、まずは市が全額補助し、支援すべきと考えますが、いかがでしょうか。
3点目は、密にならない
避難所対策についてです。
従来から、
すし詰め状態になる避難所の環境改善が求められていましたが、
新型コロナウイルス感染症が蔓延する中で大きな改善が求められています。
密にならない避難所とするためにも、災害時に協力いただくホテル等を確保し、感染した場合に重症化しやすい高齢者や持病を持った方などについては、優先的に避難させる対応が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
次に、高齢者、介護、障がい者施設等の
感染防止対策について質問します。
介護施設や障がい者施設の皆さんも、3月ごろから既に10カ月も緊張感の中で働き続けています。
安心して働くためには、職員、入所者の一斉検査、定期検査が求められています。
高齢者施設等でクラスターが発生すれば施設の閉鎖など大変なことになりかねません。
感染拡大を事前に防いでいくためにも、こうした
社会的検査などを市として実施することが必要だと考えますが、市長の見解をお聞きします。
次に、
認知症高齢者の支援策について質問します。
認知症は加齢により多くの人がなり得る病気です。
高齢化社会の現代では、
認知症高齢者に対する介護は家族だけではなく、社会全体で支え合う課題となっているのではないでしょうか。
ところが、現行の介護保険では、利用できるサービスに限度があります。
また、団塊の世代を見据え国は在宅介護を推進しています。
そこで、1点目は、
認知症高齢者の家族介護についてお聞きします。
認知症による徘回や行方不明、全国では踏切事故などの賠償金問題なども起こっています。
深刻な社会問題ともなっているこうした家族の負担や地域の現状に対して、市長はどのように考えているのかお聞きします。
2点目は、当市において認知症と認められる人はどのくらいいるのかお聞きいたします。
3点目は、これまでの取り組みと課題についてです。
認知機能が低下しても、安心して暮らせる
まちづくりが求められていると考えます。
こうした視点に立ち、これまでの取り組みと課題について、どのように捉えているのかお聞きします。
以上、壇上からの発言といたします。
御清聴ありがとうございます。
○議長(槻山隆君) 岡田もとみ君の質問に対する答弁を求めます。
勝部市長。
○市長(勝部修君) 岡田もとみ議員の質問にお答えいたします。
まず、
新型コロナウイルス感染症への対策についてお尋ねがございました。
PCR検査につきましては、発熱などの症状のある方が医療機関を受診して、医師が患者の症状、あるいは行動歴、これは流行している地域への往来であるとか、同様の症状がある方と接触していないかどうかというところを確認した上で、感染が疑われると判断した場合に
PCR検査を行うこととなっておりまして、発熱などの症状があれば必ず
PCR検査を行うというものではございません。
また、検査体制につきましては、11月から国が示した検査体制の新たな枠組みにより、
新型コロナウイルス感染症に関する医療機関の受診の流れが変更になっております。
その内容を当市の例で申し上げますと、10月までは二通りの流れがございましたが、1つ目の流れは、帰国者・
接触者相談センターや保健所からの紹介によりまして、帰国者・
接触者外来を受診して検査を受ける方法、2つ目として、一関市
医師会登録医療機関を受診して地域外来・
検査センター、市の場合は一関市
臨時診療所を受診して検査を受ける方法、この二通りの流れがありました。
これが11月以降は、発熱などの症状がある場合は、
かかりつけ医がいる方につきましては
かかりつけ医のほうへ、
かかりつけ医がいない場合は県が設置する受診・
相談センターにそれぞれ電話で相談をしていただきます。
その後、
かかりつけ医がいる方でその
かかりつけ医が県の指定を受けた診療・
検査医療機関の場合は、その医療機関で
かかりつけ医の判断によって
新型コロナウイルス感染症の検査を行います。
また、
かかりつけ医が診療・
検査医療機関ではない場合もあるわけですが、その場合には、
かかりつけ医からの紹介で診療・
検査医療機関を受診することになります。
一方で、
かかりつけ医がいない方にありましては、受診・
相談センターの案内によりまして診療・
検査医療機関を受診するという流れになります。
このように、
PCR検査を受けられる医療機関は、10月までは帰国者・
接触者外来、または市の
臨時診療所のみという検査の流れでございましたが、11月からは一関市内の医療機関のうち、県の指定を受けた診療・
検査医療機関であれば
PCR検査などの
新型コロナウイルス感染症の検査を行える体制となったところでございまして、市内の病院や診療所においても
新型コロナウイルス感染症の診療、検査が実施できるようになったところでございます。
次に、県外の大学などに通う学生が任意で
PCR検査を受けた場合の補助についてのお尋ねもございました。
国などの公費負担によって行われる
PCR検査は、
新型コロナウイルス感染症の蔓延の防止に加えて、患者に対する感染症の治療につなげるために行われているものでございます。
そのため、検査の対象者は感染が疑われる症状がある方、患者の
濃厚接触者、その他感染が疑われる方ということになってございまして、症状や接触歴のない方が感染していないことを確認するため、いわゆる安心のために受ける場合は、その費用の全額が自己負担となっております。
このように、感染防止、あるいは治療といった医学上の理由によらない個人の都合で受ける任意の
PCR検査については、現時点では必ずしも他に優先して検査を行う対象とはなっていないものでございまして、その費用を公費で負担する取り扱いともなっておらず、市においても同様の考えとしているところでございます。
次に、避難所の
感染症対策についてのお尋ねがございました。
災害発生時に避難所が密とならないようにするための方策として、初期段階に開設する避難所を26カ所から39カ所に増設して、避難者を分散させることで避難者が密集しないようにする、そして避難所内の区画の間隔を1メートルから2メートル確保することで、
避難者同士が適切な距離を保って密接とならないようにする、そのような方法をとっております。
また、
新型コロナウイルス感染症に感染した場合に重症化するリスクが高いと考えられる方への対応として、飛沫による感染防止を目的に避難所内に設置する簡易テント1,900張り、この整備を現在、進めているところでございます。
次に、
高齢者施設などにおける
PCR検査についてのお尋ねがございましたが、厚生労働省は
新規陽性者数の増加傾向が顕著になってきたことから、令和2年11月19日付で各都道府県に対して
高齢者施設等への重点的な検査の徹底についてとする通知を発しました。
この通知の中で、まず1つは、
高齢者施設などの入所者、または
介護従事者等で発熱などの症状のある入所者や従事者などについては必ず検査を実施することとされております。
検査の結果、陽性が判明した場合には、施設の入所者及び従事者の全員に対して原則として検査を実施することとされております。
また、1週間当たりの
新規陽性者数が人口10万人当たり10人を超えている都道府県については、これらの検査に至急取り組むことともされております。
さらには、行政検査が行われない場合にあっても、
高齢者福祉施設等で必要性があるものと判断して自費で検査を実施した場合は、
新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業の対象として交付金によって費用を補助するとされたところでございます。
これらを踏まえまして、
高齢者施設の入所者や職員に対して市が独自に検査を実施することは考えておりませんが、各施設に対して改めて
感染防止対策を講じるよう徹底してまいりたいと思います。
次に、
認知症高齢者の現状についてのお尋ねがございました。
高齢化の進展に伴って認知症の方は年々増加傾向にございます。
国の推計では、令和7年には全国で約700万人前後となり、65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症になると見込まれております。
一関地区広域行政組合が岩手県に報告している
認知症高齢者などの
日常生活自立度調査でも、高齢化の進行により認知症の症状がある方は増加傾向が見られます。
また、徘回により警察に保護される事例でありますとか、
地域包括支援センターや
高齢者総合相談センターには、物忘れや徘回などの問題行動についての相談が家族や近隣の住民から寄せられているところでございまして、認知症の症状のある方と同居する家族への負担も大きくなってきていると認識しているところであります。
市内の認知症の方の人数についてのお尋ねもございましたが、先ほど申し上げました
認知症高齢者などの
日常生活自立度調査の結果では、介護保険の認定調査において認知症の症状があるとされる
認知症高齢者等の
日常生活自立度ランクが2以上の方は、平成29年3月末現在では5,031人、令和2年3月末現在では5,349人となっており、3年間で318人増加したことになっております。
認知症高齢者への支援策についてでございますが、認知症になっても安心して生活できる環境を整えることが大切でございまして、市では
一関地区広域行政組合と連携を図り、
各種支援策を実施しているところでございます。
具体的には、相談対応や認知症の正しい理解と知識の普及、啓発を行う
認知症地域支援推進員の配置、市民の方に認知症を正しく理解してもらうための
認知症サポーター養成講座の開催、さらには認知症の症状に応じたサービスや相談機関など、適切なケアの流れを示した
認知症ケアパスあんしんガイドブックの普及、認知症の方やその御家族の
居場所づくり、地域との交流の場所として認知症の人と家族の会、あるいは
認知症カフェ、これらへの支援、さらには
徘回高齢者の身元確認を迅速に行うことを目的とした
徘回高齢者SOSネットワーク事業などの取り組みを実施しているところでございます。
○議長(槻山隆君) 14番、岡田もとみ君。
○14番(岡田もとみ君) ありがとうございます。
それでは、先に
認知症高齢者の支援策についてお伺いします。
今の答弁では、認知症によって徘回するなどという状況で家族の負担は大変なものだという答弁はありましたが、社会全体で支えていかないといけない問題があるということについての認識があるかどうか、もう一度お伺いしたいと思います。
○議長(槻山隆君)
佐藤保健福祉部長。
○
保健福祉部長(佐藤鉄也君) 社会全体で支えていくという認識ということでございますけれども、例えば市の取り組みといたしまして、
認知症支援推進員の配置であるとか
認知症ケアパスあんしんガイドブックの普及であるとか、そのようなことを事業として実施しているというのは、地域の皆様と一緒にそのような方を支えていく必要があるということでの事業実施と捉えております。
○議長(槻山隆君) 14番、岡田もとみ君。
○14番(岡田もとみ君) 先ほどもお話しいたしましたが、こうした実態について社会で支えていくということで、市でもいろいろな取り組みがなされているところではありますが、先進的な事例を御紹介いたしますと、神戸市などは神戸市認知症の人にやさしい
まちづくり条例を制定して、新たに認知症の診断を受ける方々をふやすためにその診断料を負担するとか、認知症の方が事故に遭われた場合に救済する制度などを組み合わせて、その財源を薄く広く市民の皆様からも負担いただいて、そうした取り組みをしているという事例があります。
こうした事例のような、もっと市民や家族の方が安心できるような市の取り組みが求められていると思うのですけれども、こういう点についてはどのように検討しているかお伺いします。
○議長(槻山隆君)
佐藤保健福祉部長。
○
保健福祉部長(佐藤鉄也君) ただいま御紹介いただきました神戸市の事例ということでございます。
この件につきましては、昨年3月の第69回定例会において、議員のほうから御質問いただいた経緯がございました。
その後、情報収集に努めているところではございますけれども、実際に実施している自治体が少なく、県内では実施しているところはないところでございます。
こちらのほうで情報収集したところでございますけれども、例えば今、御紹介ありました神戸市では薄く広くということで、市民税均等割に400円上乗せしていると。
今、議員から御紹介がありました大府市では、実際に踏切の事故があって賠償責任の話になったというところでございますが、市で
賠償責任保険料を1人当たり2,000円負担しているとか、大和市では市が負担しているというところもございます。
対象者のばらつきがございまして、例えば神戸市であれば認知症の診断が必要だということ、大府市では住民票を持っていて、認知症かその疑いがある方ということ、大和市においては認知症などにより徘回するおそれのある人ということで、いろいろと対象であったり掛金であったり補償額にもばらつきがあったりして、なかなか参考にするのが難しいというところがございます。
そういったところから、具体的な検討までは実際に至っていないところでございますが、情報収集に努めているという状況でございます。
○議長(槻山隆君) 14番、岡田もとみ君。
○14番(岡田もとみ君) 事故等による補償等も深刻な事態になっていて、全国ではまだ実施の例が少ないということが今お話しされましたが、いろいろな記事を見るとそうした取り組みは54自治体が既に実施していて、これからもふえていくのではないかと感じているところです。
先ほどの答弁にあったように、認知症の人を抱えている家族、認知症の実態というのが増加傾向にあるという点では、ぜひ検討していくようにお願いしたいと思っているところです。
一関地区広域行政組合との連携等の話もされていますが、
在宅介護支援センターはもう役割を終えたということで組合のほうでは廃止して、今は
地域包括支援センターが一手に引き受けているという状況もあります。
このような点については取り残しや事業の後退がないかという心配の声が聞かれるのですけれども、市としてはどのように捉えているのかお伺いします。
○議長(槻山隆君)
佐藤保健福祉部長。
○
保健福祉部長(佐藤鉄也君)
一関地区広域行政組合のほうでそのような形で整理統合していたということではございます。
その考え方については
一関地区広域行政組合のほうで確認していただきたいと思うのですけれども、ただ、実際に当市で取り進めております、例えば先ほど申し上げました
認知症地域支援推進員の方たちが、相談業務や普及啓発とか、実際に認知症の家族の会の支援を行っております。
そのような中で、全てが全てフォローできるわけではないと思いますけれども、このような地道な活動で支援をしてまいりたいと思っております。
○議長(槻山隆君) 14番、岡田もとみ君。
○14番(岡田もとみ君) ぜひ、その部分についても検証しながら取り組んでいただきたいと思います。
PCR検査について質問させていただきます。
PCR検査になかなか行き着かないということで、国や県の検査方法に基づいて行っているということですけれども、まず感染を抑制するためには検査数を拡大することが課題となっているということについて、この検査数をふやすということについてはどのような考えがあるかお伺いします。
○議長(槻山隆君)
佐藤保健福祉部長。
○
保健福祉部長(佐藤鉄也君) 検査数をふやしたほうが確実に予防につながるのではないかといったお考えも確かにあるようでございます。
ただ、無症状者への
PCR検査の実施ということで、9月議会でも答弁したところでございますけれども、国の
新型コロナウイルス感染症対策分科会の提言では、感染の割合が低いと考えられる場合には、症状がない方に対して検査を実施することはマイナスの影響が大きいと指摘されているところでございます。
先ほど、市長の答弁の中でもお話ししましたが、11月からは市内での検査体制が割と充実してきているところでもございますので、基本的には国、あるいは県の考え方に基づいた中で、市のほうで実施する行政検査で進めてまいりたいと考えております。
○議長(槻山隆君) 14番、岡田もとみ君。
○14番(岡田もとみ君) 検査体制が11月から充実されたということは本当によかったと思うのですけれども、先ほど政府の
新型コロナウイルス感染症対策分科会等の答弁がございましたが、無症状者等を検査するのはマイナスだというお話については、いろいろな専門家の方々やマスコミ等でも、国民の
アンケート調査からいっても、政府の考え方には乖離があるということでかなり問題になってきているところです。
例えば足立区では、当初は多聞に漏れず検査が受けられないという苦情が相次ぐ状況の中で、濃厚接触の有無にかかわらず発熱や症状があれば誰もが検査を受けられるようにしてきています。
そうした中で、
PCR検査の拡大もされているということですので、こうした国の状況に不安を持っている市民、住民の声に応えていくということも自治体としては必要な対応ではないかと思っています。
それで、この
PCR検査がなかなか進まないという点について、
PCR検査の検査費用の半分は自治体持ちだということを聞いています。
それでは自治体の財政力に左右されて検査が思うように進まないのではないかと危惧しているのです。
そうであれば、国へ強く全額補助を求めていくべきだと考えているのですが、その点についてはどのような対応をしているのかお伺いします。
○議長(槻山隆君)
佐藤保健福祉部長。
○
保健福祉部長(佐藤鉄也君)
PCR検査の実施等につきましては、これまでも対象範囲を広げてほしいなど、いろいろと要望等がございます。
そのような意味では、県に対して検査体制の充実であるとか支援について要望という形で出しているところでございます。
○議長(槻山隆君) 14番、岡田もとみ君。
○14番(岡田もとみ君) 日々新しい感染者数が過去最高を更新しているという状況の中で、国、県の方針待ちではなかなか市民の不安は解消されないと思いますので、こうした点についても市としての決断を急ぐべきではないかと思います。
帰省する学生の検査ですけれども、治療のための検査ではない部分なので自己負担が当然だというお話がされました。
やはり安心な移動をどう確保していくかという点については、市の方針を市民にもっと具体的に示さなければ市民の不安が募るだけだと思いますので、この点についても必要な支援策を至急考えていただきたいと思っております。
次に、密にならない
避難所対策についてですけれども、内閣
府では避難所の開設について、感染症対応時のレイアウトというものがこのように公表されています。
(図を示す)
このレイアウトを見ますと、一般の避難者のエリアの部分に加えて要配慮者や
濃厚接触者専用スペースなどという部分があります。
このようにできれば理想なのかもしれませんが、実際、一関管内の避難所を見ますと、必ずしもこのレイアウトのように避難者を配置できる施設にはなっていないと思いますが、この点についてはどのように捉えているのかお伺いします。
○議長(槻山隆君) 菊地消防長。
○
消防本部消防長(菊地和哉君) レイアウトにつきましては、本年6月に国から示されたガイドラインを基本に、岩手県保健福祉部が7月に作成した
新型コロナウイルス感染症対策に配慮した避難所運営ガイドラインを出しておりますが、これらを参考としまして、当市では避難スペースにおける基本的な区画、区画間の距離等々、避難区画を明示することとして8月にガイドラインを作成したところでございます。
施設の建物の構造など、実情に合わせたレイアウトで感染対策をすることとしておりますが、議員がおっしゃいました
濃厚接触者専用スペースがとれるのかということでございますが、
濃厚接触者や発熱の方々に関しましては事前受付でチェックをしまして、そういう方がいらっしゃった場合には専用の施設等に移送することとしております。
同じ避難所で一般の方とは交わらないような対策をとっております。
また、高齢者の方々に関しましては、トイレに近い場所とか、そういう配慮をいたしまして、区画内で避難していただくという対応をすることにしております。
○議長(槻山隆君) 14番、岡田もとみ君。
○14番(岡田もとみ君) ありがとうございます。
密にならない
避難所対策ということで、避難所の開設数を多くするというのは必要なことかと思いますが、こと
新型コロナウイルス感染症が拡大してきたときに、やはり高齢者など重症化しやすい人のための避難所の確保というのは大事になってくるのではないかと思います。
日本医師会では、こうした3密になりがちな避難所で
新型コロナウイルス感染症の感染を防ぐためにということで、内閣
府の公表資料や関係学会のガイドラインなども踏まえて新たに作成されているものがあります。
それについては、やはりホテルや旅館や公務員の宿舎などといった施設への分散避難も選択肢だと推奨しています。
この点についての考え方をお伺いします。
○議長(槻山隆君) 菊地消防長。
○
消防本部消防長(菊地和哉君) 旅館やホテル等の活用についてでございますが、一関市の地域防災計画の避難救出計画の中で、避難所における生活が長期化すると認められる場合には、必要に応じ民間アパート、旅館、ホテルなどの活用も図ることとなっております。
また、市が設置する避難所だけでは対応できない場合には、県知事と協議して県所有の施設や民間アパート等を避難所とする、そのような計画になっております。
○議長(槻山隆君) 14番、岡田もとみ君。
○14番(岡田もとみ君) ということは、市としても感染者の保護という点でのホテル等の分散避難のための確保をしているということで捉えてよろしいでしょうか。
○議長(槻山隆君) 菊地消防長。
○
消防本部消防長(菊地和哉君) 当市では実際に、市内のホテル1施設と災害時の協力に関する協定を締結しているところでございます。
○議長(槻山隆君) 14番、岡田もとみ君。
○14番(岡田もとみ君)
社会的検査の件でお伺いしたいと思いますが、高齢者や介護、障がい者施設等で、先ほどは施設が自費で検査した場合は補助をするということで答弁がありましたが、こうした部分について、1人当たりの検査の額や職員の人数を考えますと、今、
高齢者施設と介護施設等は赤字ぎりぎりで運営しているという点で、やはり公的な補助がなければやっていけないという声もあります。
この点については、市としてはどのように考えているのかお伺いします。
○議長(槻山隆君)
佐藤保健福祉部長。
○
保健福祉部長(佐藤鉄也君)
高齢者施設等への検査というお話かと思うのですけれども、国のほうから通知で示されましたのは11月19日ということで先ほど市長のほうからお話し申し上げたところであります。
この中身の具体的なものについては県のほうから直接介護事業所のほうにいくことになると思いますけれども、この検査に関しまして市のほうからの支援、補助ということは今時点では特には考えていないところでございます。
○議長(槻山隆君) 14番、岡田もとみ君。
○14番(岡田もとみ君) 感染が拡大してからの対応では本当に大変なことになるということは北海道や東京都、
大阪府の状況を見てもわかります。
先手、先手の対応が必要だと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
また、
高齢者施設等の要望で、今、市ではマスク等の支援は行われておりますが、実は施設で今困っているのはプラスチック手袋などが入手できないということでした。
マスクは確保できるようになっているので、その点についても具体の意見交換を交わしていただきたいと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
○議長(槻山隆君)
佐藤保健福祉部長。
○
保健福祉部長(佐藤鉄也君) マスク等につきましてはこれまでも配布しているところでございます。
ただいま議員のほうから手袋ということで御紹介いただきました。
意見交換につきましては、来年早々に事業所との意見交換会ということで予定しておりますし、その前には事業所からのアンケートを頂戴いたしまして、そのような要望等があれば検討してまいりたいと考えております。
○議長(槻山隆君) 通告時間に達しましたので、岡田もとみ君の質問を終わります。
暫時休憩します。
午前11時13分 休 憩
午前11時14分 再 開
○議長(槻山隆君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、岩渕典仁君の質問を許します。
岩渕典仁君の質問通告時間は60分で、一問一答方式です。
1番、岩渕典仁君。
○1番(岩渕典仁君) 一政会の岩渕典仁です。
第80回定例会に当たり、通告に基づき、森林・林業政策、教育行政の2項目について一般質問を行います。
初めに、1項目め、森林・林業政策です。
現在、木材利用をめぐる新たな潮流として、中高層建築物への利用が期待できるCLTなどの開発が発展し、都心で木造ビルが誕生、新国立競技場での木材の利用、FIT制度による木質バイオマスのエネルギー利用の拡大などがありますが、これは木材需要の拡大につながる従来にない変化であります。
また、森林には水源涵養の機能、快適な環境の形成機能、保養、レクリエーション機能、文化機能、生物多様性の保全機能など、多面的機能があります。
この森林機能は、山林面積713.53キロ平方メートル、市全体面積の56.8%を占める当市にあって、私たちの日常生活に密接にかかわっていると言えます。
国内の木材需要、殊にも国産材の高付加価値化を見据えて、当市の地域材を地域経済の循環につなげる取り組みが重要と考えます。
そこで伺います。
当市において、木材等の物質生産機能だけではない森林が有する多面的機能をどのように捉え、産業としての森林・林業政策をどのように方向づけ、事業として展開していくのか答弁を求めます。
平成30年度税制改正の大綱において、森林環境税及び森林環境譲与税の創設が決まり、うち森林環境譲与税は令和元年度から自治体への譲与が開始されています。
これは、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立を図るための流れであり、目下、森林の木材等の物質生産機能に注目が集まっています。
森林環境譲与税は、市町村においては間伐や人材育成、担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備及びその促進にかかわる費用に充てることとされています。
本税により、これまで手入れが十分に行われてこなかった山村地域の森林整備が進展するとともに、都市部等が山村地域で生産された木材を利用することや山村地域との交流を通じた森林整備に取り組むことで、都市住民の森林、林業に対する理解の醸成や山村地域の振興等につながることが期待されます。
そこで伺います。
森林環境譲与税の使途と、課題を踏まえどのように事業として取り組んでいくのか答弁を求めます。
資源・エネルギー循環型
まちづくりビジョンは、当市の豊かな環境を次世代に引き継ぐため、太陽光などの自然エネルギーとともに市内で発生する一般廃棄物やバイオマスなどをエネルギー資源と捉え、その活用により地域内で資源やエネルギーを循環する
まちづくりに向け、エネルギー資源の実態把握や廃棄物の減量化、エネルギーを活用した施設のあり方などについて方向性を示すビジョンであります。
資源・エネルギー循環型
まちづくりビジョンの目標年次は令和2年度であります。
そこで伺います。
資源・エネルギー循環型
まちづくりビジョンのこれまでの成果と課題、今後の方向性について、森林・林業政策を中心に答弁を求めます。
バイオマス産業都市構想とは、地域に存在するバイオマスを原料に、収集、運搬、製造、利用までの経済性が確保された一貫システムを構築し、地域のバイオマスを活用した産業創出と地域循環型のエネルギーの強化により、地域の特色を生かしたバイオマス産業を軸とした環境にやさしい災害に強い町、村づくりを目指す構想です。
平成25年度から関係7
府省が共同で制定し、バイオマス産業都市構想の具体化に向けた取り組みを推進しています。
バイオマス産業都市構想の計画期間は、一関市総合計画とも整合、連携を図りながら、平成28年度から令和7年度までの10年間とし、中間評価結果に基づき5年後の令和2年度に見直すとあります。
そこで伺います。
バイオマス産業都市構想のこれまでの成果と課題、今後の方向性について答弁を求めます。
次に、2項目め、教育行政です。
私は、令和2年3月の第73回定例会において、コミュニティ・スクール導入の課題と今後の方針について一般質問を行いました。
そのときの答弁では、既存の制度、施策の関係との整合性、権限の整理として教育委員会の方針と学校運営協議会の方針が異なった場合校長の学校運営が難しくなること、学校の負担として、学校に新たな業務を課すことにより教員の働き方改革にも逆行すること、以上の3点を課題として挙げ、今後の方針としては、コミュニティ・スクール導入についての研究を進めるとの答弁でありました。
令和元年5月、岩手県のコミュニティ・スクールの導入率は7.3%、これは全国で41番目で6市町村34校でありましたが、令和2年度末までに10市町村52校が導入の見込みとなっており、全国においても高校や特別支援学校でも導入が進んでおり、令和2年7月、全国の導入率は27.2%と導入に向けた動きが加速しています。
平泉町では令和4年度に導入を目指すとし、平泉町の教育長は、地域とともにある学校づくりと学校を核とした地域づくりの実現を目指したいと言及しています。
そこで伺います。
改めて、コミュニティ・スクール導入の必要性と課題、今後の方向性について答弁を求めます。
平成30年3月、スポーツ庁の運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン、平成30年6月、岩手県教育委員会の岩手県における部活動の在り方に関する方針にのっとり、一関市教育委員会は平成30年11月、部活動の在り方に関する方針を制定しました。
私は令和元年6月の第71回定例会において、部活動の在り方に関する方針について一般質問を行いました。
教育委員会が部活動に対して具体的な上限規制を設け、相当踏み込んで学校現場と関係者に求めることはこれまでになかったことと思います。
本方針に従い部活動が運営され、もう少しで1年9カ月となります。
そのような中、令和元年8月、岩手県教育委員会は岩手県における部活動の在り方に関する方針の改定版を作成し、市町村教育委員会へ部活動の在り方に関する方針の改定を求める通知を実施しました。
令和2年9月現在、改定した市町村は22市町村、今年度中の改定は9市町村、今後改定予定は2市町との報告がありました。
そこで伺います。
これまで部活動の在り方に関する方針で運用してきた成果と課題、岩手県の改定版を踏まえ、今後の方向性について答弁を求めます。
以上、壇上での質問を終えます。
ありがとうございました。
○議長(槻山隆君) 岩渕典仁君の質問に対する答弁を求めます。
勝部市長。
○市長(勝部修君) 岩渕典仁議員の質問にお答えいたします。
まず、林業施策の方向性についてのお尋ねがございました。
森林は御承知のとおり、水源の涵養、あるいは災害の防止、二酸化炭素の吸収という公益的な機能を果たす役割を持っておりますし、さらには木材生産を行うという産業資源としての役割もございまして、この2つの側面が主な役割としてあるということを認識しております。
この2つの面から森林政策、林業政策を推進していくことが基本になると考えております。
現在、市内の森林の多くが植栽後40年から50年を経過して、利用可能な林齢、森林の年齢のことでございますが、この林齢に達しておりまして、その豊かな森林資源を木材やエネルギー資源として活用することが望まれているところでございます。
このため、伐採した木材を余すことなく有効活用すること、そして、切った後には次の世代に向けて計画的に植えていくということを繰り返すことによって資源・エネルギー循環型の
まちづくりに向けた取り組みを進め、持続可能な森林経営を推進してまいたいと考えております。
森林環境譲与税の使途についてのお尋ねがございました。
これについては、1つ目は森林整備に関する事業に充てる、2つ目として、人材育成、担い手の確保に関する事業に充てる、3つ目として、木材利用の普及啓発に関する事業に充てる、この3つの区分によって事業に活用しているところでございます。
議員から御指摘があったように課題もございまして、森林整備に関する事業に重点的に配分してきたところでございますが、地域産業である林業の持続化のために林業経営体における継続的な人材の確保と育成の支援が必要だということ、もう1つは、出口対策としての木材利用の促進に係る取り組みの展開がどうしても必要であると考えているところでございまして、このところがやはり課題となっていると認識しております。
利用期を迎えている市内の豊富な森林を建築用の木材として活用することや森林整備で生じる間伐材などを燃料材として活用するなど、資源の有効活用を図り収入増につなげることが、人材の育成や森林所有者の経営意欲の向上にもつながっていくものではないかと考えます。
次に、資源・エネルギー循環型
まちづくりビジョンにおけるこれまでの成果についてのお尋ねもございました。
市では平成27年10月に一関市資源・エネルギー循環型
まちづくりビジョンを策定いたしまして、これまでバイオマス産業都市構想の策定、あるいは再生可能エネルギーの活用、みんなのメダルプロジェクト、オフィス製紙機の活用による市民のリサイクル意識の醸成など、さまざまな取り組みを実施してまいったところでございます。
その中で、森林・林業分野については、当市の特徴でもございますバイオマス産業都市構想に掲げるプロジェクトが思うように進まず、それが雇用にまで結びついていないことが課題でございます。
今後も、現在策定中の新たなビジョンに沿って、引き続き当市の豊かな森林資源を生かして、エネルギーをつくって、豊かな環境をつないでいくこと、すなわち、いかす、つくる、つなぐ、この仕組みづくりに一層取り組んでまいりたいと思います。
バイオマス産業都市構想につきましては、当市の豊富な森林資源の循環を促進し、持続可能な循環型社会の構築とSDGsの達成に資する取り組みとして積極的にこれに取り組み、構想を前進させなければならないと考えております。
これまでの成果といたしましては、公共施設にチップボイラーを導入して、民間事業者の協力のもと地域の木材を燃料として活用する流れが動き出していること、山林から未利用材を搬出し、チップ工場に納入する取り組みを行う市民による組織が活動を開始していること、間伐材を活用し、まきに加工して販売する仕組みが構築できたことなどが挙げられております。
未利用材の活用を通じた地域内での経済循環の創出、山林内の環境の整備並びに循環型社会の形成に寄与しているものと感じているところであります。
バイオマス産業都市構想の具現化に向けた主な課題としては、民間事業者が取り組んでいる発電事業の事業化の遅れにより、それが雇用の創出に至っていないという部分、2つ目として、未利用材の利用には採算性と効率性が求められるという部分、3つ目として、木質バイオマスボイラーの導入コストが割高であるため、民間施設への導入が進んでいないということが挙げられます。
今後は民間事業者との情報共有や連携を強化しながら、木材を燃料とした事業化により雇用が創出されるよう民間事業者に働きかけるとともに、未利用材の集材の輪をさらに広げ、まきづくりや森林整備に取り組む市民などの幅広い参画を得て、森林の資源循環を図ってまいりたいと思います。
なお、そのほかのお尋ねにつきましては、教育長が答弁いたします。
○議長(槻山隆君) 小菅教育長。
○教育長(小菅正晴君) 私からは教育行政についてお答えいたします。
まず、コミュニティ・スクールの導入についてでありますが、平成29年に地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正されまして、学校運営協議会の設置が努力義務となったことを踏まえ、市の教育委員会ではこれまで教育委員会議や社会教育委員会議において、コミュニティ・スクールの制度を学習したり、先進地域の視察を実施するなど、研究、検討を行ってきたところであります。
一方で、学校教育法に基づいて、現在、市内全ての小中学校に設置している学校評議員や岩手県独自に発展し定着してきた教育振興運動もあることから、それらとコミュニティ・スクールの機能の重複について調整や整理も必要と考えております。
現段階において、コミュニティ・スクールの有効性については次の2点と捉えております。
まず1点目は、より地域と連携した学校の運営体制が期待できるということ、2点目は、地域の力や人材を学校教育に生かしていくことができるということであります。
一方で、コミュニティ・スクールの運営協議会が教職員の任用について意見を述べることはふさわしいのか、効力があるのか、あるいは、コミュニティ・スクールが学校現場の多忙化を招くのではないかなどの危惧もあり、コミュニティ・スクールの導入については慎重に進める必要があります。
これらのことから、当市においては今後試行的な取り組みとして、希望する学校を中心に数校以上指定して、コミュニティ・スクールの有効性を研究していくことを考えております。
また、現在策定を進めております一関市教育振興基本計画後期事業計画においても、コミュニティ・スクールの導入の検討を盛り込む予定としているところであります。
次に、中学校の部活動についてでありますが、教育委員会では令和2年3月19日付で市立中学校に対し、令和2年度の部活動の在り方に関する方針を通知し、部活動が適切な活動になるよう求めております。
この通知によって、各学校においては部活動の時間や休養日が設定され、方針はほぼ守られている状況にあり、教職員の時間外勤務の縮減においても前進が見られ、働き方改革の観点からも大きな成果があったところであります。
一方、部活動の課題としましては、生徒数の減少に伴い部員が確保できず、部活動の種類が減っていることや育成会練習や合同チームでの練習などにより、送迎などの保護者の負担が増加していることなども指摘されているところであります。
また、県教育委員会の部活動の在り方に関する方針の改定なども踏まえ、ことしの9月には臨時中学校校長会議を開催し、各校での部活動の実態や課題を把握した上で、令和2年9月1日付の文部科学省通知、学校の働き方改革を踏まえた部活動改革で示された内容と今後、休日の部活動が地域の活動として行われる地域部活動に移行していくという方向性を共有したところであります。
しかし、地域部活動への移行については、事故のときの対応、活動場所の確保、指導者の確保、費用の確保など多くの課題もあることから、相当の移行期間が必要となるものと考えております。
○議長(槻山隆君) 1番、岩渕典仁君。
○1番(岩渕典仁君) 先に教育行政のほうから再質問をしたいと思います。
よろしくお願いします。
先ほどの答弁で、後期計画の中で複数の中から試行的にチャレンジするということで、前回の質問から一歩進んだ答弁をいただきました。
私は評価をしたいと思いますが、まずはその試行をどのように複数の学校を選択していくのかについてお尋ねします。
○議長(槻山隆君) 小菅教育長。
○教育長(小菅正晴君) 現在、市内の学校を見ますと、地域との連携という部分においては温度差がかなりありますけれども、かなり踏み込んでやっている学校もたくさんあります。
そういうところは、このコミュニティ・スクールを導入しても十分やっていける状態にあるのではないかと思っておりますので、校長先生の意欲も希望調査の中でとりながら、そういったところを中心にできるのではないかと思っております。
それから、学校統合が進む部分も今後考えられますけれども、この学校統合で新しく新設となる学校については、基本的にこのコミュニティ・スクールを検討していただくということを統合前に検討委員会の中で話題提供しながら、学校経営を中心に考えていただくという方向性も今後見ていきたいと思っております。
○議長(槻山隆君) 1番、岩渕典仁君。
○1番(岩渕典仁君) どのように試行的にやるかは理解しました。
私も、統合が花泉地域、室根地域と進む中で、そのような変化のところで導入していくというのは1つのチャンスではないかと思って提案をする予定でした。
その中で、なぜこのコミュニティ・スクールを導入していくかというところですけれども、先ほど壇上でも言いましたが、全国の中で言うと27.2%がもう既にコミュニティ・スクールを導入している、これは全国の学校設置者だけを見ると48.5%が既にコミュニティ・スクールを導入していると。
岩手県教育委員会もこのような中で、今は確かに努力義務なので準備を進められているけれども、令和4年度には義務化になるのではないかということで、各地域でコミュニティ・スクールの説明会をやっています。
私は平泉町の説明会にも参加させていただきましたが、そのような中で一関市はどうするのかということで、先ほど、その評価委員制度があったり、岩手県独自のCSがあったり、教育振興運動があると、それは前回と同じ答弁ですけれども、このコミュニティ・スクールは法的根拠があります、裏づけがあります。
令和3年度の文部科学省の予算要求の中では95億円で、前回の74億円から大幅にアップをして、地域コミュニティ・スクール、つまり地域とともにある学校を推進していくという方向に流れています。
これらの全国的な流れとこの一関市の流れの進み方が違うのではないかというところで危惧をしているのですが、この点、教育長はどのようにお考えですか。
○議長(槻山隆君) 小菅教育長。
○教育長(小菅正晴君) このコミュニティ・スクールが国のほうで提案されて、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の中に位置づけられてきた平成20年前後には、岩手県教育委員会は基本的にコミュニティ・スクールはいらないという考え方だったのです。
なぜかと言うと、岩手県自体はもう既にコミュニティ・スクールの状態になっているということで、岩手県型コミュニティ・スクールという言い方をしていたわけです。
ですから、そのような岩手県独自の状況というのがあったと。
もう1つは教育振興運動ということで、昭和30年代から地域と一体になった運動を既にやっていたということでありますので、他県と比べてかなり実質的なコミュニティ・スクールの内容というのが岩手県は進んできていたのではないかと思っております。
ただ、ここに来てそういう制度の部分が出てきて、学校評議員というのは学校教育法に法令として根拠法規があるわけですが、それとの関連を上手にやりながらやれば、コミュニティ・スクールというのはよさを一層引き出せるのではないかという判断をこちらのほうでもしているところであります。
○議長(槻山隆君) 1番、岩渕典仁君。
○1番(岩渕典仁君) いつも意見がすれ違うのですが、まずはコミュニティ・スクール自体に法的根拠があるのですと、つまり、確かに岩手県独自のCSを市町村はやってきましたと言いますけれども、法的根拠はないのです。
岩手県の中で独自にやってきたけれども、今後は令和4年度に国でこのようなコミュニティ・スクールをやって、また、部活動も地域の中の協力を得ながらやっていかなければいけないという状況が生まれていると、それが働き方改革ということだけではなくて、やはりその国の流れ、国の流れというのは国がトップダウンでやっているのではなくて、地域の声を聞いた上でそのようなものが必要だという課題に対して取り組んできて合議体のもとでこのような形になっています。
課題の任用のところがやはり前回も先ほどの答弁と一緒でした。
逆にこの任用に関して、ほかの自治体から言っているのは、今まで学校は校長先生であったり管理職の人たちが中心になって学校運営をやっていたけれども、それに対して地域の声を入れた民主的な形、地域の声も聞いた中での合議体としての体系がまさしくコミュニティ・スクールのものなのです。
だから、そのような新しい価値観、新しい方向づけに対して、どのように教育長は捉えてそのような方向づけを持っていっているのかお尋ねします。
○議長(槻山隆君) 小菅教育長。
○教育長(小菅正晴君) 教員の任用については、今の状況は、各学校の校長の意見具申の中で市町村の教育委員会にそれが伝えられて、市町村の教育委員会は内申という形で県の教育委員会にそれを伝えて、最終的な教職員の人事の権限は県の教育委員会にありますので、そういうシステムの中でやっている、これも地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づいてやっているわけであります。
ですから、今後、コミュニティ・スクールが導入になった場合に教職員の意見をどのように吸い上げるかという部分についてはその中で話し合われることはそのとおりでありますが、その意見がそのまま通るわけではないということは申し上げておきたいと思います。
自分の学校にいい先生がほしいというのはどこでも言うことでありますから、それを調整しながら、市町村の教育委員会も絡みますけれども、県の教育委員会で最終的に公平になるように人事配置しているところでありますので、そのような把握をしているところであります。
○議長(槻山隆君) 1番、岩渕典仁君。
○1番(岩渕典仁君) 視点を変えたいと思います。
まず、コミュニティ・スクールの導入がなぜ必要なのかということをもう1点伝えますけれども、これは今の学校の管理職ではなくて新しくこれから教員になろうとする先生たちにとって、県の中にコミュニティ・スクールが導入されているのかどうか、つまり導入されているということはある程度働き方改革について方向性を示しているという1つの視点になっています。
もう1つは、県内の中でもコミュニティ・スクールが導入されている地域なのか導入されていない地域なのかによって、人事異動の方向づけの1つの判断基準にもなっているという報道もあります。
つまり、国の働き方改革をつなげた中で、どのような一関市の形にしていくのか、岩手県、そして一関市の中で導入をして教員にとって働きやすい地域なのかどうか、選ばれる地域なのかというところでは、このような整備を国もやっていきますと、いろいろなコーディネーターであったり、そのような予算配置もしますとなっていますので、そこは先ほど前向きな答弁をいただいた、やれるところからやっていく、そのとおりだと思いますので、ぜひ積極的に進んでいっていただきたいと思います。
○議長(槻山隆君) 小菅教育長。
○教育長(小菅正晴君) 働き方改革については、このコミュニティ・スクールがいい方向に働けば非常に有効な部分になるのだろうと考えておりますので、そういう努力はしていきたいと思います。
人事については、これは実質的に今の人事システムの中で十分意見は伝えることができるシステムになっております。
ですから、それにプラス地域の意見もその中で言いながらということになるわけですが、ただ、地域の意見がその権限の中に入っているといっても、それがそのまま通るわけではないということだけは申し上げておきたいと思います。
○議長(槻山隆君) 1番、岩渕典仁君。
○1番(岩渕典仁君) 次に、部活動のほうに移りたいと思いますが、1年9カ月間進められて、いろいろな課題があるというところですが、部活動の全員加入についてお尋ねしたいと思います。
国と県のガイドラインの中では、部活動というのは教育課程外のもので、自主的、自発的に行うものなので、そもそもの入り口のところで全員加入ということをせずに、まずは任意的加入にするということを言っていますし、県でもやっています。
現在、一関市の状況はどうなっているかお尋ねします。
○議長(槻山隆君) 小菅教育長。
○教育長(小菅正晴君) 部活動については、生徒の人間形成の機会であること、多様な生徒が活躍できる場であることなどから、非常に教育的意義は大きいと捉えております。
各学校では生徒全員が部活動に加入するかどうかを検討して、学校ごとに判断しているというのが基本であります。
教育課程外の教育活動をどのように行うかということは、基本的には校長の職務権限に属する事項でありますけれども、部活動のような有効な教育活動を生徒全員に体験させたいという判断というのは尊重されるべきであろうと思います。
ですから、実質的に全員が加入している状態というのは決してまずい状態ではないと私は思っております。
ただ、部活動が任意加入の方向性にあるということも実際の部分でありまして、それをやはり踏まえていかなくてはいけない部分もあると思いますので、部活動以外にスポーツなどの活動をしている場合には学校の部活動に入らずに校外での活動を認めるなどして、学校ごとに個別のニーズに配慮して今は対応している状態だということであります。
○議長(槻山隆君) 1番、岩渕典仁君。
○1番(岩渕典仁君) 端的に答えてください。
全員加入なのか、それとも任意加入なのか、どうですか。
○議長(槻山隆君) 小菅教育長。
○教育長(小菅正晴君) 学校長が判断しておりまして、今、16校中2校は任意加入ということで進めております。
要するに、地域の活動に参加するから私は部活動に入りませんという子供がふえてきているのは確かでありますので、それを形だけの部活動に所属せずに、きちんとそれはそれとして部活動には入らないけれども地域の活動をやっていると認める方向で校長先生方とは協議をしているところであります。
○議長(槻山隆君) 1番、岩渕典仁君。
○1番(岩渕典仁君) まさしく、その動きが今流れていまして、データでも出ています。
岩手県の中の自主的、自発的な参加が27市町村、検討中が10市町村ということで、ほぼほぼ自主的、自発的な参加になっていると。
その背景には、いろいろな多様性の部分であったり地域の中でスポーツ活動をされている方もいらっしゃるということの中でのそういう動きなのです。
岩手日報社の記事ですけれども、一番驚いたのが、県の実態調査をしたときに、任意加入、つまり自主的、自発的な参加がいいかどうかについて、生徒の63.4%がそのほうがいいと、教員は58.2%、保護者も52.9%が希望する部活動をするべきだと言っているのですね。
そもそも、国、県がそのようなガイドラインを出し、このアンケートの中の生徒、教員、保護者も言っている、その中で学校長が判断してそうしていますということのこの論理的説明、それをどのように教育長として捉えているのかお尋ねします。
○議長(槻山隆君) 小菅教育長。
○教育長(小菅正晴君) 先ほども答えさせていただきましたが、基本的に教科の授業とか国の定めによっている部分を除いた教育課程外の部分については校長の権限でやっていることがほとんどなのです。
掃除もそうですし、例えば業間時間はマラソンをするとか、あるいは制服をどうするとか、そのようなのも校長の権限でやっていることですから、そのような部活動のいい経験を全員に体験させたいという校長の意向というのは、方向性とすれば変わりつつありますけれども、尊重されるべきだと私は思っております。
実質的に話し合いの中で少しずつ原則加入から加入を推奨するという方向に変わりつつあるのはそのとおりであります。
○議長(槻山隆君) 1番、岩渕典仁君。
○1番(岩渕典仁君) もう1点だけ違う視点でお尋ねしますが、今言われている部活動の任意加入については、教員自体も教育課程外であるということに関してアンケートをとると、全体の57%が実は部活動は教育課程内であると思っているという状況であり、かつ保護者は当たり前に教員がやるものだと思っていると思うのです。
学校長が、そもそも部活動が選択的なものですということで、それを教員も保護者も理解している上でやっているのだったらいいのですが、現段階ではそのような背景なのです。
ですので、知らない状況で全加入しているということがほかの自治体の中では出てきているのです。
国の方向づけとしては先ほど言った、最後にまた言いますけれども、地域移行という話も出てきています。
急に地域移行するのはきついです。
ですので、現段階の中で、まず部活動が教育課程外であるのだと、働き方改革とか云々は今後の方向性としてそういったものもあるので、例えば部活動に対する捉え方ということを変えていかなければいけないというのはわかるのですが、まずはそういったことを教員に改めて確認するであったり、保護者の方に周知をしていくというような準備段階をしていかなければ変わらないのではないでしょうか。
教育長、いかがでしょうか。
○議長(槻山隆君) 小菅教育長。
○教育長(小菅正晴君) 少なくとも教員については教育課程外であるということの認識はほとんど持っていると思います。
現実的に岩手県自体が部活動については非常に盛んでありましたので、そういう部分でこれまでの流れというのはやはり大事にしたいという部分はそれぞれあるのではないかと思います。
入っても入らなくてもいいという考え方をした場合はいろいろな問題が逆に出てくるのではないかと私は思っております。
例えば部員が少なくなる、部活動として成り立たない、選択幅が少なくなる等の問題が予想されますので、その辺も踏まえながら方向性は考えていきたいと思います。
○議長(槻山隆君) 1番、岩渕典仁君。
○1番(岩渕典仁君) 次のステップにいきたいと思います。
私は部活動をぜひやっていただきたいですし、やることの意味は本当に賛同しています。
ただ、それが今の時代にそぐわないことが出てきていると見たときに、そもそも国は何と言っているのだろう、県は何と言っているのだろうというものがやはり物差しとしてあるわけですから、そこを一関市に当てはめたときに、やはりずれていれば我々はチェックしなければいけない、そういう視点で私はやっています。
一方ではもう1つ課題があって、やりたい人たちができなくなっている、それは先ほど教育長が言われたように、小規模校はなかなか部活動の中でやりたい種目がない、その中の課題解決策として、これも国、県で言っているのですが、合同部活動のあり方がありますと、複数校で生徒が拠点校に集まって、学校単位の部活動ではなくて合同部活動をやって進めていきましょうと、これは県で言っています。
この取り組み状況は今、一関市はどのようになっていますか。
○議長(槻山隆君) 小菅教育長。
○教育長(小菅正晴君) 合同部活動という形で日常的に練習しているという形態はありませんが、実際にいろいろな大会等においては合同チームとして出ざるを得ないと、逆にそうやるしかないという状況があります。
この9月に行われた新人戦では、4競技で7チームが合同チームとして出ておりますし、16校中10校が合同チームにかかわっております。
極端な例で言うと、5つの学校が一緒になって1つのチームをつくるという実態も出てきておりますので、そういう部分についてどう考えていかなくてはいけないかというのは、中学校の先生方中心に非常に大きな課題になっていますので、それについては今後、ぜひ何らかの研究を踏まえて方向性は出していきたいと思っております。
○議長(槻山隆君) 1番、岩渕典仁君。
○1番(岩渕典仁君) 全くもって私も同感です。
この地域の中の部活動のあり方の中での合同部活動の課題は、今この状況で学校の統合があるのである程度解決する部分も出てくるかもしれませんが、これからますます進んでいくと思うのです。
ですので、その上で、そのときになって解決するわけではないはずなので、今後のためにも、今の段階からきちんと研究をして準備をしていく必要があると思っています。
その解決策として、もう1つ、これは私が提案しなくても流れとしてあるのですが、部活動指導員というものが2017年度から導入、制度化されています。
これは岩手県でも少しずつ導入されていて、岩手県の先ほどの改定版にも、学校の設置者は各学校の生徒や教員の数、部活動指導員の配置状況や校務負担の実態を踏まえ、部活動指導員を積極的に任用し学校に配置しましょうということをガイドラインの改定版にさらに追加をしています。
この点についての現在の本市における状況はどうですか。
○議長(槻山隆君) 小菅教育長。
○教育長(小菅正晴君) 部活動指導員については、今、市内で配置している学校はありません。
以前にその検討はしたところでありますが、公平性の問題とか、あるいは人材がなかなか見つからない、ごく一部だけになっていいのかという問題とか、あるいはこの制度は今の時点では3年で配置する学校を変えなくてはいけないという制度の難しさもあったりして、今のところは配置しておりません。
ですから、今後配置の見通しを学校が持てるかということを聞きながら、令和3年度にはその部分についても検討してまいりたいと考えております。
○議長(槻山隆君) 1番、岩渕典仁君。
○1番(岩渕典仁君) 今の点をもう少しお尋ねします。
確かに、令和3年度に文部科学省が予算要求している中では、要求額が15億円でプラス3億円になっていますし、全国で3,000人をふやそうと、これが岩手県になるとどれだけになるかわかりませんが、地域移行ということも後で質問しますけれども、その前にやはりこのような措置をしながら、各県、各市町村の中で検討して導入を進めていくということを検討してほしいということだと思うのですけれども、ぜひこれは令和3年度に、どこからどのようにというのはこれから検討の部分もあると思うのですが、導入していくべきだと私は思いますけれども、いかがですか。
○議長(槻山隆君) 小菅教育長。
○教育長(小菅正晴君) 先ほど言った課題もありますけれども、いずれそのような見通しがある学校であれば、ぜひ配置する方向で検討したいと思います。
○議長(槻山隆君) 1番、岩渕典仁君。
○1番(岩渕典仁君) ぜひ、よろしくお願いします。
最後に、部活動の部分では先ほど答弁でもありました、文部科学省ではことしの9月1日に学校の働き方改革を踏まえた部活動改革の中で大きな方向性を打ち出しています。
令和5年度以降に休日の部活動を段階的に地域移行ということを打ち出しております。
先ほど教育長は短い期間での移行は厳しいと、段階的にそのようなものを研究するということですけれども、この件についてお話をされたということですが、どのようなことを話し合われているのかというのをまずはお尋ねします。
○議長(槻山隆君) 小菅教育長。
○教育長(小菅正晴君) この地域部活動という名称は、スポーツ庁も入っていますけれども、9月1日の文部科学省の通知でもって私たちはわかったものであります。
地域部活動というのは、基本的に合同部活動とかにも触れていますけれども、一番大きいのは土曜日、日曜日に学校の教員がそれに携わらない形に変えていくということであります。
国がそういう方向性を出した。
一関市の場合には既に日曜日は部活動をやっていませんから、土曜日に先生方がそこに出ているという状況です。
これを先生方ではなくて地域でやっていくという形であります。
これが全国に提案されたわけでありますが、岩手県内のそれぞれの教育長とも情報交換しておりますが、方向性としてはその方向は大事だけれども、具体的な部分として時間はどうしてもかかってしまうだろうという話し合いになっています。
市内の中学校の校長先生方の話の中でもそのようになっていまして、その運営の主体が一体誰になるのか、その費用はどうするか、事故があったときはどうするかとか、いろいろな課題があるので、そのような部分を試行的にどこかでモデル的にやるところをつくりながら、今後そういう方向性を思考していきたいと思っております。
○議長(槻山隆君) 1番、岩渕典仁君。
○1番(岩渕典仁君) ぜひ、その辺は研究しながらやっていただきたいと思います。
きょうの教育行政に関しては、市長にもぜひ最後にお尋ねしたいと思いますけれども、今回のコミュニティ・スクールも部活動も、つまり教育行政だけではできなくなっている課題が出てきたと、それに関して、やはり地域全体で子供たちを育てよう、そして地域の人たちの力を借りる、それはコミュニティ・スクールだけではなくて、部活動も、先ほど教育長の答弁もありましたが、保護者の方だけの負担になってしまうと、また保護者のほうに負担がかかりますので、やはりこれは地域の中で部署をまたいで、横軸を通して、SDGsもそうですけれども、そのようなものが必要になってくると思います。
市長、この点について、コミュニティ・スクール、特に部活動についてどのようにお考えなのかお尋ねします。
○議長(槻山隆君) 勝部市長。
○市長(勝部修君) 今、議員がおっしゃいました地域というキーワード、これがどうしても頭に被さってくるような社会情勢になってきていると、実態がそうでございます。
それで、先日開催いたしました総合教育会議、この総合教育会議は縦割りの中での問題点等を議論する場ではなくて、より幅広く横串で見ていこうということで部活動を取り上げました。
その中で、先ほど教育長が答弁したような内容のことも当然話し合ったわけでございますけれども、私はやはり学校の先生方だけで考えるとなかなか難しい面があるのだろうと、学校という中からなかなか踏み出せない部分も出てきますので。
ですから、教育的な意義は当然あると思います。
ただ、そこを飛び越えて地域という中で子供たちをどう育てていくかという部分をやはりみんなで考えていかなければだめだろうと思っていまして、たまたま今、部活動の話が話題になっていますけれども、コミュニティ・スクールも同じような問題点、議論すべきことが底辺にあるわけでございますので、より幅広く地域の問題として、地域を守っていくということを考えないとだめだと思うのです。
そういう観点から今後も議論をしていきたいと思います。
○議長(槻山隆君) 1番、岩渕典仁君。
○1番(岩渕典仁君) 私もほぼそのとおりだと思っています。
一関市のどこで生まれようが、小規模校で生まれようが、やりたいものをやれる、やりたいものを提供する、それが行政の役割だと思っています。
それが学校だけでできなくなっているのであれば、やはり地域の力を借りる、もしくは保護者の力を借りる、このような仕組みづくりをぜひ前向きにしていたただきたい。
5年後のSDGsの考えはバックキャスティングです。
5年後にどのような町になっているのか、そのためにバックキャストとして現在どのように進めなければいけないのか、去年はこんなことをやった、ことしはこれをやろうというフォアキャスティングではなくて、やはりそういったバックキャスティングをしていく、私は5年後に地域移行になるからそのときに考えましょうではなくて、もちろん考えられているかもしれませんが、ある程度やはりパラダイムシフトをしながら方向づけを持っていっていただきたいと思います。
一関市のどこで生まれるかというのは子供たちが選択できません。
けれども、どこで生まれようがチャンスがある、そのような一関市になっていけるように教育行政のほうはお願いをしたいと思います。
次に、森林・林業政策のほうに移りたいと思います。
先ほど答弁をいただきましたが、我々一関市議会にも林業振興議員連盟というものがありまして、その中で林業振興にかかわる一関市木材カスケード利用協働協議会の方にアンケートしました。
先ほどの森林・林業の課題とこのアンケートの結果はまさしく全くもって一緒です。
人手不足であると、人材育成、担い手の確保が必要だと、あとは一関市の木材の積極的利用が必要だとか、先ほどの答弁のままなのですね。
そのような中でまずお尋ねしますが、林業経営体の方々のニーズをどのように把握されているのかお尋ねします。
○議長(槻山隆君) 小崎農林部長。
○農林部長(小崎龍一君) 林業経営体の皆さんのニーズというお話でございます。
このバイオマス産業都市構想を策定した上で林業経営体の皆様にも参加いただく木材カスケード利用協働協議会というのを組織させていただきました。
そういう場でいろいろ御意見をいただく、あとはバイオマス産業都市構想の推進に当たって個別にお邪魔をしてお話を伺うというようなことで、林業経営体の方々のお考えを施策に反映させたいと思っております。
バイオマス産業都市構想の策定前まではそういう機会を持つ機会が少なかったのではないかという反省もしているところでございます。
○議長(槻山隆君) 1番、岩渕典仁君。
○1番(岩渕典仁君) ぜひ、そのようなニーズに関しては適時把握をしていただきたいと思います。
次に、提案というか、ぜひ進めていただきたいのは、先ほど言った森林環境譲与税の使途の中に人材育成と担い手の確保というものがあって、ある程度一関市の中には予算措置をされています。
その中で、現在森林環境譲与税を使った人材育成であったり、担い手の確保をどのような形で進められているのかをお尋ねします。
○議長(槻山隆君) 小崎農林部長。
○農林部長(小崎龍一君) まず、人材育成の確保につきまして現在やっているのは、令和2年度は高校生のための森林・林業体験教室という形で、まず学生のうちから市内なり県内の森林、林業事業の実態を見ていただくというところから入っております。
あとは直接市が補助をしているわけではありませんけれども、岩手県のほうでいわて林業アカデミーというものを開設しておりますので、毎年ではないですが、そちらのほうにもことしも1名行っておりますけれども、そういう場での人材育成の支援をしていきたいと考えております。
○議長(槻山隆君) 1番、岩渕典仁君。
○1番(岩渕典仁君) 現在の状況はわかりました。
一歩進んでこの森林・林業政策に対する人材の確保、人材育成を進めていただきたいというのが私の要望であります。
というのは、農業に関しては新規就農の促進事業であったり、親元就農円滑化事業であったりとか、幾つかのカードがあるわけですね。
林業に対してそのような事業、具体的に政策、施策だけではなく事業に落とし込んでこなければ人は育っていかないと思うのですね、思いだけでは。
もちろん、高校生に対する事業はいいです、それはそれで、伝えていくことも必要だと思います。
実際に森林、林業に対する人材育成を令和3年度に向けてぜひ取り組んでいただきたいと思いますが、現段階のお考えがあるかどうかお尋ねします。
○議長(槻山隆君) 小崎農林部長。
○農林部長(小崎龍一君) まずは林業労働力の状況を若干お話しさせていただきます。
平成30年度に林業事業体で就業している方は153名、平成27年度は188名でございましたので、4年間で35名減っているような状況になっております。
また、年代的にも平成30年度は60代が45%ということで、労働力的にもかなり高齢になっているという実態がございます。
今、施策としての取り組みということでございますが、農業でやっている新規就農者支援のような形で新規に林業従事者、林業経営体に就職するという方への支援ができないか検討しているところでございます。
できれば御提案申し上げるような形になればよろしいかと思っております。
○議長(槻山隆君) 1番、岩渕典仁君。
○1番(岩渕典仁君) この森林、林業の財源に関しては森林環境譲与税もあったりしますので、後押ししますので、ぜひ具体的な事業に落とし込んでいただきたい。
確かに人は減っていますけれども、別に一関市だけではなくて、このようなものをやってみたいと思う全国の人たちで、例えば宮古市は60歳までを対象にしながら新規事業として毎年やりながら実績を上げていっています。
これをやるかやらないか、まずはやってみて、全国から募集して、5年間の林業就職の見込みであったりとか、縛りはありますけれども、このようなもので雇用を保ったり、この自然を生かす一関市の中では必要なものだと思いますので、ぜひ進めていただければと思っております。
次に、資源・エネルギー循環型
まちづくりとバイオマス産業都市構想についてですけれども、このバイオマス産業都市構想の中の木材のことだけを伝えていくと、やはり計画があって構想があるのですが、現実が全くもって見えてこないのです。
その木質バイオマスで何をどこまでやるのか、誰がやるのか、これは行政だけでできるわけではありません。
行政が直営するわけでもありません。
かといって、市内の民間企業だけができることでもないと思うのです。
つまり、企業についても企業誘致をするのかといったらそうでもない、この木質バイオマスの計画と資源・エネルギー循環型
まちづくりにも関連していて、構想がありますけれども、どのような具体的な策としてやっていくのかが見えてこないのですが、この新しい計画になってきたときにどのような5年後のビジョン、まちになっていくのかというところをお尋ねします。
○議長(槻山隆君) 小崎農林部長。
○農林部長(小崎龍一君) なかなかビジョンの形が市民の皆様に伝わらないというお話でございます。
平成28年に策定したビジョン中では民間の方々のプロジェクトがございまして、加えて行政として、例えば学校へのチップボイラーの導入というようなこと、また、市民による集材活動という形での取り組みを掲げて取り組んでまいりました。
その中でやはり大きいものは民間の方々がやられるプロジェクトですけれども、その辺が当初見込んだ形での進捗にいっていないというのが1つの原因かと思います。
ことしで5年目になりましたので、来年、中間検討ということになります。
当初見込んだプロジェクトの反省も踏まえまして、今後の5年間でどれぐらい雇用であったり経済効果を当初見込んだものに近づけていけるかということはいろいろ考えてまいりたいと思います。
○議長(槻山隆君) 1番、岩渕典仁君。
○1番(岩渕典仁君) これは端的に答えていただきたいのですけれども、バイオマス産業都市構想の中で経済波及効果を31.6億円、新規雇用に関しては73名、うち林業は49名を推計しています。
現段階では中間的なものになっていますが、進捗状況はどのような形になっているのかお尋ねします。
○議長(槻山隆君) 小崎農林部長。
○農林部長(小崎龍一君) 端的にということですが、まだ具体的な数字を集計している情報収集の段階でございますので、何人、何億円という話までは申し述べられません。
当初見込んだプロジェクトで中止になったプロジェクトもございますので、当初の積算でいけばそこに満たない部分もあろうかと思います。
○議長(槻山隆君) 1番、岩渕典仁君。
○1番(岩渕典仁君) 資源・エネルギー循環型
まちづくりとも関連をするのですが、このようなエネルギー政策の中で、例えば隣の陸前高田市は陸前高田市と民間の会社がお互いに出資をして、陸前高田市の市民エネルギー会社を設立しています。
こういった官民連携をしたエネルギー政策というところの方向づけを何か考えられているのかお尋ねします。
○議長(槻山隆君) 千葉
市民環境部長。
○
市民環境部長(千葉敏紀君) 現在、資源・エネルギー循環型
まちづくりビジョンの策定をしているところでございますが、次期ビジョンの中では地域新電力という会社の設立によりますエネルギーの地産地消などについても検討を進める予定としておりますが、現時点で具体にということではございませんので、そのような新電力の設立に向けた具体的な動きについても来年度以降進めてまいりたいと考えております。
○議長(槻山隆君) 1番、岩渕典仁君。
○1番(岩渕典仁君) エネルギーについてもう1点お尋ねしますが、前回、私は一般質問で地域経済の循環分析というものを1つの指標としながら、一関市のエネルギー代金について質問しました。
具体的に言うと186億円が域外に出ているというところです。
総生産としては3,795億円中の4.9%が外に出ているということで、やはり資源・エネルギー循環型
まちづくりビジョンというのは地域の中でエネルギーを回していくというビジョンだと思うのですが、まずは客観的にどのようなエネルギーが一関市の中にあって外に出るかというものであったり、そのようなものを評価しているのかどうかをお尋ねいたします。
○議長(槻山隆君) 千葉
市民環境部長。
○
市民環境部長(千葉敏紀君) ただいま議員から紹介がありました地域経済循環分析ということで、お話のあった186億円が外に出ているという状況を踏まえまして、エネルギーの地産地消という部分も含めて、先ほどの地域エネルギー会社といいますか、電力会社というものと脱FITといいますか、家庭用の電力についても循環できるような、地域内で消費というシステムを含めて検討を進めたいと考えてございます。
○議長(槻山隆君) 1番、岩渕典仁君。
○1番(岩渕典仁君) 時間になりましたので、一関市の特徴を生かしながら、資源・エネルギー循環型
まちづくり、そして、木質バイオマス、これは資源だと思いますので、それを生かしながら、当市における森林政策を進めていただきたいと思います。
以上で終わります。
ありがとうございました。
○議長(槻山隆君) 通告時間に達しましたので、岩渕典仁君の質問を終わります。
午前の会議は以上とします。
午後1時20分まで休憩します。
午後0時15分 休 憩
午後1時20分 再 開
○議長(槻山隆君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、佐々木久助君の質問を許します。
佐々木久助君の質問通告時間は40分で、一問一答方式です。
9番、佐々木久助君。
○9番(佐々木久助君) 清和会の佐々木久助であります。
私はこの3年、持続できる地域社会の構築に向けてをテーマに議会活動をしてまいりました。
先の9月議会では、私が一関市で生活するベースに地域をどう生かすかをテーマにして、身をもって実践する1次産業から今必要な課題と思われる3点について質問をさせていただいたところであります。
ですが、質問の仕方に問題があると終了後、議長より注意と指導をいただいたところでございますので、このことに意を配りながら、改めて生かすべき地域社会の姿から、空き家、空き店舗の現状と対策についてをテーマに、令和2年の今を市当局はどのように捉え考えているかを伺うものであります。
私の中での空き家、空き店舗は次の3つの視点があると考えております。
1つには、所有の姿であります。
2つには、利用の形であります。
3つには、管理についてであります。
よって、今回の質問の要旨1つ目は、空き家数の推移を市はどう捉え、発生の要因をどのように考え、その対策、活用についての取り組みを伺うものであります。
2つ目は、住民が管理していた農地、林地は、空き家になった今、どのように管理されているのか、集落に及ぼす影響について、行政当局はこの現状をどのように捉えているかを伺うものであります。
3つ目は、空き店舗についてであります。
8つの市町村の合併からなる当一関市にはそれぞれ商店街を有し、昭和の時代には地域経済を牽引してきたと考えております。
平成の31年間の時を経て令和の今、空き店舗数の推移と店を閉めるに至った要因をどのように捉えているのか、また、取り組んでいる対策についてをお伺いいたします。
以上、壇上からの質問とさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
○議長(槻山隆君) 佐々木久助君の質問に対する答弁を求めます。
勝部市長。
○市長(勝部修君) 佐々木久助議員の質問にお答えいたします。
空き家に関する現状とその対応についての質問がございました。
市では平成24年度に、日常的に管理が行われていない空き家について、行政区長を通じて情報提供を求め、その時点で2,361件の情報が寄せられたところでございます。
これを踏まえまして、平成25年度から平成26年度にかけて、空家調査員を配置して空き家の現地調査を実施し、このうち2,044件が実際に空き家となっていることを確認したところであります。
この2,044件について、建物の外観の目視によりまして危険度や対応の緊急度について判定を行い、小規模の修繕により利用可能なものをA判定、損傷も見られるが当面危険性はないものをB判定、管理が行き届いておらず損傷が激しいものをC判定、倒壊の危険が切迫しており緊急度が極めて高いものをD判定の4区分に分類して、危険度、緊急度の高いDランクの空き家については状況を確認しながら、所有者などに適正な管理をお願いしてきた経緯がございます。
空き家数の推移については、市独自の調査はただいま申し上げました平成25年度からの現地調査のみでありますが、総務省が5年に一度実施している住宅土地統計調査による数値で申し上げますと、なお、この調査による空き家数は賃貸住宅やアパートなどの空き部屋も含めた数となりますが、平成25年度は6,340戸、平成30年度は7,640戸、このように増加傾向を見せております。
空き家が生じる要因については、その1つには少子高齢化の問題、人口減少が大きな要因の1つであると考えられるところでございますが、さらに空き家に関して寄せられる相談内容からは、活用や管理の方法がわからない、解体費用を捻出できない、相続登記がなされておらず権利関係が複雑であるなど、さまざまな事情が関係しているものと思われ、これらが空き家の生じる要因となっているものと捉えているところでございます。
次に、空き家の利活用についてでございますが、空き家の有効活用とあわせて当市への移住を促進するための受け皿の1つとして、平成25年度から空き家バンク事業に取り組んでいるところであります。
過去3年間の成約件数を申し上げますと、平成29年度は3件、平成30年度は10件、令和元年度は6件、この3年間の合計で19件となっており、19世帯32人の方が空き家バンクを活用して当市へ移住しております。
また、空き家バンクの利用を広げるための取り組みといたしましては、移住希望者との契約に至らなかった物件については市民や法人も利用できるように対象を拡大、また、岩手県宅地建物取引業協会一関支部の会員でもある不動産業者が仲介依頼を受けて扱っている空き家についても空き家バンクに登録できるように見直しをし、空き家バンクの物件を購入する場合にも移住者住宅取得補助金の補助対象となるように対象者を拡大、空き家バンクに登録された空き家と空き家に附属した農地の権利をともに取得する場合に限って、農地の権利を取得するための下限面積を1アールに引き下げ、要件を拡大したところであります。
なお、空き家バンクに登録される物件は、修繕の必要な物件が多い、相続登記が未完了のものがあるという状況にございまして、物件の状況もさまざまでございます。
空き家利用を希望する方のニーズに合わない場合が多くありまして、その調整が課題として位置づけられております。
今後とも、空き家バンクへの登録とその利用について周知を図りながら、空き家バンク事業を通じて空き家の有効活用に取り組んでまいりたいと思います。
次に、空き家になったことに伴い管理されなくなった農地、あるいは林地についてのお尋ねがございました。
市全体の件数を把握しておりませんので、空き家バンク制度での状況を紹介させていただきます。
市の空き家バンクに登録されている空き家は、11月末時点で44件でございます。
このうち、空き家とあわせて農地の登録をされているものは7件となってございます。
この数字だけで見ますと、空き家のうち16%ほどの割合で農地が存在しているという結果になっております。
なお、林地についての情報までは登録されておりませんので、現在把握できておりません。
農山村地域の農地や林地が荒廃する背景は、高齢化と人口減少が進行していること、農地の引き受け手や後継者が不足していること、米などの主要な農産物あるいは木材の価格が低迷していることなどが挙げられておりまして、これにより所有者が不明な農地や林地が増加している、農地を耕作しない方、林地を管理しない方も増加している、ふるさとを離れて暮らす土地所有者も増加しているという状況がございまして、それらによって引き起こされ、管理されない農地や林地がふえているものと考えております。
その影響により、農地や林地が持つ水源の涵養でありますとか、自然環境の保全などの多面的、公益的な機能が低下しております。
国土保全機能の低下などによる土砂災害の危険性も増加することになります。
病害虫や鳥獣被害も増加することになります。
農山村景観の悪化、ごみの不法投棄の発生、さらには集落のコミュニティー機能の低下など、さまざまな面で地域に少なからぬ影響を及ぼしておりまして、今後その影響はますます増大していくものと懸念をしているところでございます。
これらの課題の解決策といたしましては、まず、農地については、利用情報の収集に努めて、所有者の意向を踏まえながら農地の利用を促進し農地利用の最適化を進めること、また、林地につきましては、所有者の意向を踏まえながら、地域住民や林業経営体と連携した保全に取り組むことなどが考えられるところでございますが、いずれも対処療法的なものと言えまして、これでは根本的な解決策にはほど遠いということを認めざるを得ません。
また、個人の財産管理に係る課題でもございますことから、行政の取り組みにも限界があることも事実でございます。
農地や林地の荒廃はこのまま放置しておくわけにはいかない全国共通の課題でもございまして、国と地方、民間が一体となって取り組んでいかなければならない深刻な問題であるという認識でございます。
本年の11月に全国市長会議における林業に関する提言を決議したところでございますが、その際に、森林の保全や災害防止に当たっては、荒廃山地の復旧整備、予防治山対策など総合的な治山事業についての効率的かつ効果的な実施、財政措置の拡充について特段の配慮をお願いしたいという決議をいたしまして、国に対して要望行動を行ったところでございます。
次に、市内の空き店舗の状況についてでございますが、市では商店街の空き店舗調査を毎年7月と3月に、市内24カ所の商店街を対象に実施しているところでございます。
平成28年7月の調査では、店舗数が868店舗、うち空き店舗数が180店舗、空き店舗の割合は20.7%、本年7月の調査になりますと、店舗数は844店舗、うち空き店舗数は205店舗、空き店舗の割合は24.3%となっており、この間、平成28年と本年7月の間で店舗数は24店舗減少、空き店舗数は25店舗ふえまして、空き店舗の割合は3.6ポイント上昇したということになります。
空き店舗が発生する主な要因を見ますと、事業を継続させる後継者がいないことによる廃業、事業不振による廃業などが挙げられております。
空き店舗対策のための取り組みといたしましては、一関商工会議所や関係機関団体と連携をいたしまして、商店街の空き店舗1階部分への入居者を対象に、店舗の内外装の工事費と店舗家賃の一部を補助する空き店舗入居支援補助金の交付を初め、事業承継を支援する相談窓口として中小企業支援室を一関商工会議所に設置して、事業者が廃業に至ることなく円滑な事業承継を進めるための支援や、新規に事業を行おうとする方や起業して間もない方を対象とした事業を始めるための経営プランニング、財務、販路拡大などのノウハウなどを取得させる起業応援講座の開催、新たに店舗で事業を行う方の備品購入や店舗修繕費用などを対象にした起業者経営安定化支援事業補助金の交付、さらには市と一関商工会議所、岩手県信用保証協会が連携して、経営や起業創業に係る相談、事業承継など多種多様な相談ができるビジネスサポート相談会の定期的な開設、安定的な事業経営を行うための制度融資や商店街のにぎわいを創出するためのイベントの支援など、これら事業を通してにぎわいある商店街づくりにつなげ、商店街の空き店舗の解消に努めているところでございます。
○議長(槻山隆君) 9番、佐々木久助君。
○9番(佐々木久助君) 今、市長より私の質問に対しての答弁をいただきましたが、総じて、この空き家、空き店舗の問題に対する対応には市として十分ではないという認識を持っているような内容の答弁をいただいたところでございますが、今議会に提案されている一関市総合計画後期計画の内容を見ますと、各分野横断的に対処しなければならない3つの重点プロジェクトの1つにまち・ひと・しごとの創生を掲げております。
この中の冒頭で、平成27年から毎年1,500人程度の人口減が続き老年人口が増加しているとの現状を示し、20年後の令和22年には総人口が8万2,000人程度になると見込んでおります。
また、高齢化率は42.5%と記述してあります。
75歳以上の高齢者の人口に至っては、10年後の令和12年にピークを迎えると認識しているとの記載になっております。
64ページ、4-4住環境では、人口減により空き家等が増加、日常的に管理されない空き家等の増加により地域住民の生活環境に悪影響を及ぼすと課題認識を持ち、方向性を示唆していることは私も高く評価するところであります。
この後期計画をより具体的に進める中で、この問題により一歩踏み込んで対応していただきたいという認識のもとにお聞きしますが、令和元年度の決算書の空き家対策事業の中で調査員1名を配置し、191万7,600円とあります。
今年度も配置しているのか、いるとすればどのような調査の役目を与えて取り組んでいるのかをお伺いいたします。
○議長(槻山隆君) 千葉
市民環境部長。
○
市民環境部長(千葉敏紀君) 空き家相談の担当ということで生活環境課に1人配置してございまして、空き家相談会での対応ですとか、市民の方々から空き家の管理の関係とかでいろいろお問い合わせですとか情報をいただいた場合には、課員と空家調査員と一緒に現地を確認するなどの対応を行っているという状況でございます。
○議長(槻山隆君) 9番、佐々木久助君。
○9番(佐々木久助君) ということは、先ほどの市長答弁にもありました、平成25年から数年間、調査員を置いて調査をした中身と現在の対応は別になっていると、今までの置かれている位置は空き家対策事業という事業の予算の中で対応になっていたように思いますが、その辺の確認をもう一度お願いいたします。
○議長(槻山隆君) 千葉
市民環境部長。
○
市民環境部長(千葉敏紀君) 先ほど市長から答弁申し上げましたのは、平成24年度に行政区長から情報収集した後、平成25年から平成26年にかけては空家調査員4人で現地調査をしてございます。
先ほど申し上げましたとおり、AランクからDランクということで分類をしたところでございますが、その後もいろいろお問い合わせですとか御相談をいただきますので、その対応ということで先ほど申し上げました空家調査員と担当が対応しているという内容でございます。
○議長(槻山隆君) 9番、佐々木久助君。
○9番(佐々木久助君) 今、この空き家問題で、市長から現在まで把握している数字を説明いただきましたが、今いただいた説明の内容と対応で、この置かれている重要度からして十分とお考えなのかどうかをお伺いしたいと思います。
○議長(槻山隆君) 千葉
市民環境部長。
○
市民環境部長(千葉敏紀君) 調査によりまして、Dランクということで直ちに対応が必要なものについては、これまでも所有者が判明した分については適宜解体ですとか改善を申し入れして対応していただいておりますが、その所有者が特定できないとか、どうしても人口減とか、地域全体でも管理がなかなかできないという部分もございますので、そういう部分も含めて、行政のほうで対応できる部分についてはいろいろ対応させていただいておりますが、今後、老朽化とかで特にも周辺環境に影響を与えるようなものにつきましては特定空家等というものに認定しまして、例えば行政代執行によります解体ということも含めて、現在策定中の空家等対策計画ですとか、特定空家に認定するための仕組みというものをつくるというような動きをしているところでございます。
○議長(槻山隆君) 9番、佐々木久助君。
○9番(佐々木久助君) 先ほど、取り組みの内容として、移住定住、空き家利活用の実績例をお示しいただきましたが、市としては報告の件数をどのように評価されているのかをお伺いいたします。
○議長(槻山隆君) 佐藤
まちづくり推進部長。
○
まちづくり推進部長(佐藤孝之君) 空き家バンクを活用いたしまして移住定住された方ということで先ほど市長のほうから答弁をさせていただきましたが、加えまして、年度途中でございますが、今年度の状況も申し上げますと、14件の活用が行われているということで、数字のほうは一気に大きく伸びているというところではないのですが、徐々に制度が周知されてまいりまして活用されてきていると捉えておりますし、また、今年度におきましては問い合わせ件数も大分ふえておりますので、これまでの空き家バンク制度の周知が大分なされてきた成果の1つであると捉えているところでございます。
○議長(槻山隆君) 9番、佐々木久助君。
○9番(佐々木久助君) 取り組みの数字としては伸びてはおりますが、発生している空き家の数からして、あるいはそれに伴う地域の影響度からして、私としてはまだまだ不十分なのではないかと考えます。
市長からも重大な認識を持っているという内容の答弁をいただきましたので、より人を配置し、現状の把握に努める努力をお願いしたいと考えております。
2点目の空き家に伴い管理されない農地、林地の状況に関してでございますが、この内容に入る前に皆さんに御紹介をしたいと思います。
先月、11月27日、2020年農林業センサスの2月1日現在の数字ですが、調査結果の概数値が発表されました。
これによると、基幹的農業従事者は、5年前の前回調査から約40万人減って現在136万人であると、この減少率2割は2005年以降で最大であるとまとめられております。
基幹的農業従事者は一貫して減り続けており、減少ペースも加速していると。
基幹的農業者の平均年齢に至っては67.8歳と記載されております。
まさに私がこの当事者となります。
65歳以上の割合に至っては70%に達しております。
さらに、最後のほうのくだりに、70歳を超えると離農するか経営を縮小する傾向にあるとまとめられております。
一方、後期基本計画では、担い手が不足し、生産額の減少、農地の遊休化が進んでいることから、農業を担う人材や組織を育てていく必要があると、この調査結果を先読みしたような課題認識をもってまとめられている。
このことは私も非常に高く評価するものであるし、共感を持って後期計画を読ませていただいておりますので、今後、空き家等から発生する遊休農地をどのような形でどのような方々に担ってもらおうと考えているのかをお伺いしたいと思います。
○議長(槻山隆君) 小崎農林部長。
○農林部長(小崎龍一君) 今、2020年農林業センサスの状況のお話がございました。
議員からお話があった国全体の状況、そして岩手県の状況まで出ています。
岩手県は先ほどお話しされた減少率を上回っている状況でございまして、ますますひどいという状況の中で、御質問のございます空き家に絡む農地の管理でございますけれども、当然条件にもよりますけれども、地域を担う担い手の方々にお願いするということができる農地とできない農地とあろうかと思います。
ただ、ほとんどが耕作放棄されているということであれば、担い手の方にお願いできる農地はそれほどないと思いますし、後期基本計画の中で農林水産業のところの市民の参画にもございますけれども、いろいろな形で市民の皆さんの御協力をいただく必要があろうかと思います。
具体的には、農地周辺の兼業農家の方、また、規模にもよりますけれども、農地を利用したい非農家の方々の協力もいただきながら、農地を利用し荒廃及び耕作放棄を防いでいくことが必要かと思います。
その手法としましては、集落個々で取り組んでございます中山間地域等直接支払制度であったり多面的機能支払交付金制度の活用により、この中では農家に限らず非農家の方々の協力もいただくことで加算されるような制度にもなってきていると聞いておりますので、そういうものも集落の方々に御説明をしながらと考えております。
○議長(槻山隆君) 9番、佐々木久助君。
○9番(佐々木久助君) 今、私たちの置かれている環境は、先ほど話した基幹的従事者の年齢構成と人が持っている労働力の限界というものからして、置かれている時間には余裕がないのではないかと捉えております。
そういう意味で、緊張感といいますか、緊急性をもってこれにも向き合う必要性があると考えているところであります。
そこで、今説明いただいた方々に土地のあっせんなり、あるいは流動化を図るに当たって、基礎となる遊休農地、荒廃地の把握の状況というのはどのようにされているのでしょうか。
○議長(槻山隆君) 小野寺
農業委員会事務局長。
○
農業委員会事務局長(小野寺英幸君) 農業委員会の遊休農地に対する取り組みという御質問でございますが、農業委員会では毎年1回、農地利用状況調査というものを行っておりまして、その中で遊休農地を把握した場合はその所有者を対象に利用意向調査を行ってございます。
この意向調査の結果によりまして、みずから農地を管理できない所有者に対しましては、農地中間管理機構への貸し付けやほかの借り手をあっせんするなどして、遊休農地の発生防止に努めているところでございます。
○議長(槻山隆君) 9番、佐々木久助君。
○9番(佐々木久助君) 次に、3点目の空き店舗の問題でありますが、先ほど店舗数に対する空き店舗の割合は20%前後と捉えているようでございますが、私の感覚では8割が閉まっていて、ぽつぽつと2割が営業しているという感覚で捉えられるわけですけれども、空き店舗と一くくりにはいかないのが現状ではないかと。
旧町村の商店街では前が店で後ろが住まいというように、店としては閉まっているけれども建物として開いているという状況にはないとか、一方で市内のように営業の資産として建てられている状態というものがあろうかと思いますが、担当部署ではその辺の把握というのはされているのかお伺いします。
○議長(槻山隆君) 森本
商工労働部長。
○
商工労働部長(森本竹広君) 市が行っております空き店舗調査につきましては、市の職員が現場に出向きまして、現地でお店としての体をなしているかどうかといった部分、そこに居住しているかどうかということではなくて、店の形をしているかどうかというところの判断で調査をしているところであります。
○議長(槻山隆君) 9番、佐々木久助君。
○9番(佐々木久助君) この問題を3つの視点から質問させていただきました。
現在、議会の中で私が報告を受けた案件の中から、この問題の重要性に関係するものとして話をしてみたいと思いますが、1つには市道における未登記の対応についてであります。
可能性のある9,200筆のうち、精査の結果4,316筆の登記が必要となったことから、令和3年より年間約4,000万円近い予算を立て、10年をかけ4億円を目途に処理を進めるという報告がありました。
もともとこの発生の要因は、元の土地所有者の相続登記がなされていなかったということが大きいのではないかと私は考えております。
今後、後期基本計画を進めるに当たり、空き家、空き店舗がこの点で大きな負担になりはしないかと考えております。
市は公共施設等総合計画の中で施設の保有の見直し方針を今策定中であります。
このことは避けて通れない課題と私も考えております。
個人の資産、土地にあっても、持続できる地域社会構築のため、このような問題を考えるきっかけづくりを積極的に行っていかなければいけないのではないかと、このことを通して市民との共通認識のもとに積極的な取り組みを行う必要性があるというムードづくりをぜひ進める時期ではないかと考えておりますが、最後に今までの話を聞かれて市長はどのようにお考えかお伺いしたいと思います。
○議長(槻山隆君) 勝部市長。
○市長(勝部修君) ただいまの最後にお話しいただきましたことを、今後の私たちが取り組んでいく1つの参考にさせていただいて、少しでも空き家、空き店舗の解消につながるような、そして、それが地域の持続的な発展につながるような方向に持っていければと思っております。
○議長(槻山隆君) 佐々木久助君の質問を終わります。
暫時休憩します。
午後2時00分 休 憩
午後2時01分 再 開
○議長(槻山隆君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
次に、菅野恒信君の質問を許します。
菅野恒信君の質問通告時間は40分で、一問一答方式です。
15番、菅野恒信君。
○15番(菅野恒信君) 日本共産党一関市議団の菅野恒信でございます。
今回、私の質問で一番考えたことは、
新型コロナウイルス感染症の深刻な被害が今も続いて長期化している、また、収束しても何年後かにさらに強力になってそのウイルスが世界を飛び回り大流行、パンデミックが襲来すると専らの専門家の指摘が出ている中で、どうそれを乗り越えるかという施策とともに、いわゆるポストコロナ、
新型コロナウイルス感染症終息以降について、どのような一関市をつくり、国をつくっていくのかということについて思いをいたしました。
コロナ禍の教訓をどう生かすか、また、果たして国が進めようとしている地方創生なり行政改革、規制緩和、あるいは自治体戦略2040が新しい地域の経済の成長となり、一関市、国民が本当に幸福になっていくのか、子供たちは健やかな成長を保障されるのか、このようなことに思いをいたしながら質問をするわけであります。
今言われているのは、
新型コロナウイルス感染症以前にこの地域社会のもろさ、脆弱さがもともとあり、それが被害を一層深刻なものにしているということが指摘をされています。
例えば、貯金を持たない世帯が3割ある、貯金を持てないような労働者、非正規労働者が4割を超えている、このようなことを解決することなしに、1人も取り残さないとするSDGsに応えられるものなのかということに向かって挑戦していかなければならないと考えているものであります。
具体的に質問いたしますので、よろしく答弁をお願いいたします。
最初に、コロナ禍を踏まえた中長期的な行財政運営についてお尋ねいたします。
まず、雇用、所得、地域からの要望等について、どのように考えているのかということについて関連してでありますが、前にもお尋ねしておりますが、時間もたっておりますので、感染症の影響による市内の解雇、倒産、あるいは所得の状況について把握しているのであればお答え願います。
さらに、こうした状況のもとで、市民、あるいは地域からどのような要望、傾向で結構でございますが、市のほうに届いているのかお答えください。
2つ目には、住民自治の発展をどうつくっていくのかということについてであります。
最近、市の総合計画説明会が行われたが、参加者が少なかったということをお聞きしているのですが、こうした住民自治、あるいは自分たちのまちをどうつくっていくのか、市はどのように考えているのか、このようなことを聞く場になかなか市民が集まってこない、これでは大変です。
これらについてどのように取り組むつもりでいるのかお答え願います。
さらに、職員が現場によく足を運び説明をして、そのような場に出てくるように、このような対話を通じての参加を促す必要があるのではないかと思いますが、昨今、職員削減が響いて、なかなか市の職員がそのような現場に出てくるという余裕がなくなっているという話もお聞きいたしますが、どのようにお考えになっているのかお尋ねいたします。
第4次一関市行政改革大綱・集中改革プランの策定が進められております。
もう2回、3回と会議が行われたようであります。
この行政改革、あるいは集中改革プランに対して、今度のコロナ禍や災害が起きたときにしっかりと機敏に対応できるような職員体制をつくるということを含めた策定を考えているのかお尋ねをいたします。
さらに、私は何度もお尋ねしておりますが、今度の集中改革プランの中では、さらなる市職員の削減やデジタル化に伴う新たな組織の再編等について考えられているのか、考えようとしているのかについてもお尋ねをしたいと思います。
その際に、現在職員を増減する、あるいは組織を何年度にどのようにつくりかえるかという構想をこの一関市行財政改革推進審議会のほうに示しているのかについてもお答え願います。
国は来年2月か3月には法律でデジタル庁を設置する、そして、国のデジタル庁と市町村と共通の行政手続のデジタル化を進めていくと話しております。
それに沿うような市の組織改編が検討されるのかについてもお尋ねをいたします。
大きな2つ目、コロナ禍から子供を守る施策についてお尋ねいたします。
最初に、放課後児童クラブが安心できる環境になっているかに関連して、感染の一番の対策である3密を避けることが放課後児童クラブではなかなかできないということを関係者からお聞きます。
これらについて、市はどのように指導し、対策を徹底しているのか伺います。
また、これはあってはならないことでありますが、昨今の事情ではどこにクラスターが出るのかわからないという状況のもとで、放課後児童クラブでクラスターが発生した場合、その放課後児童クラブを休業せざるを得なくなるような場合の補填や支援、あるいは父兄から徴収する利用料の還付などについて、放課後児童クラブにどのように指導しているのかについて伺います。
次に、放課後児童クラブで働く職員、これは放課後児童クラブに限らず保育所にも言えることでありまして、何回かお尋ねしてまいりましたが、そのような職員は国の慰労金の支給対象にはなっておりません。
市ではなお検討をしているかと思いますが、どのような状況になるのかお聞かせください。
3つ目になりますが、放課後児童クラブは指定管理と業務委託の2つのタイプがあります。
なぜ、同じ公的施設で子供を預かるのに、指定管理と業務委託に分けているのか、その理由についてお尋ねをしたいと思います。
最後に、一関市では今、子ども食堂を休んでいるという状況がある中で、市にそのようなものを援助してほしいと要望をしたことに対して、令和2年度の予算で190万円ほど予算が措置されておりましたが、この子ども食堂、
居場所づくりはどのように今展開されているのかお尋ねをいたします。
これらについてのお答えをよろしくお願いいたします。
壇上からの質問は以上で終わります。
よろしくお願いいたします。
○議長(槻山隆君) 菅野恒信君の質問に対する答弁を求めます。
勝部市長。
○市長(勝部修君) 菅野恒信議員の質問にお答えいたします。
まず、市内の雇用状況についてのお尋ねがございましたが、一関公共職業安定所からの聞き取りによりますと、市内での
新型コロナウイルス感染症関連の解雇及び解雇見込み人数は、11月16日現在、13事業所で合計53人という数字になっております。
また、事業所の倒産などの状況について見ますと、倒産が2社、閉店が1社、休業が2社、一部休業が1社、それから事業は継続するが解雇があった事業所が6社、事業所の合併による閉鎖が1社という具合になっております。
本年9月の定例会におきまして、菅野議員から同様の質問がございまして答弁しているところでございますが、その時点の状況と比べますと、5つの事業所、15人の増となっておりまして、企業は依然として厳しい経営状況にあると捉えているところでございます。
雇用環境の悪化による所得の現状につきましては、市内の状況を具体的にお示しできる数値は現時点では残念ながら把握しておりませんが、岩手県人事委員会が企業規模50人以上かつ事業所規模50人以上の県内の民間事業所のうちから無作為で抽出した事業所を対象に調査した結果では、令和元年4月分の給与月額が35万4,432円、本年4月分の給与月額が35万1,088円となってございまして、4月時点で3,344円減少しているわけでございます。
また、県内事業所で前年の8月から本年の7月までの1年間で支払われた賞与などの特別給を見ますと、令和元年調査時が149万2,392円、本年の調査時が146万5,436円となっており、2万6,956円減少しております。
次に、地域から市への要望についてでございますが、本年度の移動市長室でありますとか、地域の皆さんから寄せられた要望の主なものとしては、本年度における特徴的な分野とも言えますが、
新型コロナウイルス感染症対策に関する要望が多く、特に経済、雇用、資金繰りなどの各種支援制度の充実、
感染症対策の徹底、教育環境、医療、福祉の
感染症対策の徹底や体制強化などに関する内容のものが多く寄せられております。
その他の要望としては、市道の整備などに関する要望、公共交通の充実に関する要望、少子高齢化に伴う地域づくりの課題解決に向けた要望などが寄せられているところでございます。
本年度は、
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、例年と比較しても市政全般にわたって幅広く要望が寄せられており、市民生活に大きな不安を与えている感染症の脅威というものを改めて強く認識しているところでございます。
市ではこの寄せられた要望などを踏まえまして、これまでに9度にわたり補正予算を措置させていただき、感染防止、生活支援、経営支援という3つの柱で
新型コロナウイルス感染症への対策を講じてきたところでございます。
引き続き、市民の皆様の声に耳を傾けるとともに、日常生活や経済活動の回復に向け、一層の取り組みを進め、最大限の努力をしてまいりたいと思います。
次に、住民自治の発展に向けた施策を伺うとして、市政への市民の参画についてのお尋ねがございました。
市政運営を進めていく上で市民の意見を市政に反映させることは
まちづくりの基本であり、不可欠なものであると認識しているところであります。
このたびの総合計画の策定に当たりましても、市民アンケートの実施による市民ニーズの把握、
まちづくりスタッフ会議でのワークショップの開催、パブリックコメントの実施、タウンミーティングの開催などによる意見聴取を踏まえまして、計画に市民の意見を反映させたところであります。
また、ワークショップやタウンミーティングにおいては、土曜日、日曜日の開催を基本といたしまして、市民の皆さんが参加しやすい日程とするなどの工夫もしたところであります。
加えて、本年は
新型コロナウイルス感染症の感染防止の観点から、3つの密にならないような会場の選定、リモートでの開催、書面会議の開催による人と人との接触機会の抑制など、市民が安全に参加できるような対策を講じたところでございます。
今後においても、多くの市民の方々に参画していただけるように工夫をして取り組んでまいりたいと思います。
次に、職員が現場に出向いて市民の意見を聞くということにつきましては、市では職員の育成に向けてその方向性を示す一関市人材育成基本方針というものを定めているところであります。
その中の目指す職員像の1つとして、市民起点に立って対話を深め、ともに
まちづくりに取り組む職員というものを掲げております。
協働の
まちづくりに向けた職員の姿勢をそのような形で示しております。
この狙いとするものは、市役所を飛び出して市民と同じ現場から物事を見て考える、いわゆる市民起点の発想、市民の思いを自分ごととして捉えて相手に寄り添って耳を傾け共感する、いわゆる傾聴の姿勢、そして傾聴を通じた対話から市民のニーズをつかみ、また対話することで新たな価値を創出する
まちづくりへの参加意識の高揚であります。
これらを通じて職員の説明力の向上にも結びつけていくようにしたいと考えております。
職員一人一人がこういう姿勢を持って現場での市民の声を聞き、それを市政に反映させていくことができるように人材育成に努めてまいります。
次に、第4次一関市行政改革大綱・集中改革プランについてでございますが、現在策定している令和3年度から令和7年度までの5カ年を計画期間とする第4次行政改革大綱の案では、市民との協働や民間活力の活用により質の高い行政サービスを持続的に提供することを目指し、その実現のため4つの基本方針を掲げております。
1つ目は、協働による
まちづくりの推進、職員と組織の最適化、2つ目は、事務事業、公共施設の見直し、3つ目は、財政運営の健全化、4つ目は、ICT、情報通信技術の活用の4つの項目を掲げているところであります。
また、本大綱と具体的な改革実施項目を定める第4次集中改革プランにつきましては、一関市行財政改革推進審議会において市民の皆様から御意見をいただきながら策定を進めているところでございます。
災害時には迅速な避難所の設置運営などマンパワーが必要となりますことから、行政改革を推進する中にあっても災害対応が可能な体制を構築していくものでございます。
また、
新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、庁内に対策本部、支部を組織して対応しているところであり、状況に応じて柔軟に対応していくこととしております。
次に、職員定数と組織体制についてのお尋ねがございました。
職員定数については、市民起点に立った質の高い行政サービスの水準の維持と財政の健全化を図りつつ、効率的な行政運営を進めるため定員適正化計画を策定して、これに基づく定数管理を行っているところでございます。
現在の第3次定員適正化計画は、平成28年度から令和2年度までの5カ年を計画期間としたものでございまして、本年度がその最終年度となっておりますことから、現在、来年度以降の第4次計画の策定を進めているところでございます。
組織体制の見直しにつきましては、厳しい財政状況の中にあっても質の高い行政サービスを持続的に提供していけるように毎年度見直しを行っているところであります。
今後においても、行政サービスのデジタル化、オンライン化、社会情勢の変化、新たな国の施策などにも対応していかなければならないことから、必要に応じて組織体制の見直しを進めてまいりたいと考えております。
次に、コロナ禍から子供を守る施策ということで、放課後児童クラブについてのお尋ねがございました。
放課後児童クラブにおける
新型コロナウイルス感染症対策については、毎日の活動の中で手洗いやマスクの着用、手指消毒の励行など基本的な感染対策を実施するとともに、密にならないように校庭や体育館など広い場所での活動や学年別、支援単位別などの分散した活動を多くしたり、放課後児童クラブ専用の布マスクの着用など、それぞれのクラブでさまざまな工夫を凝らしているほか、寒い時期の
感染防止対策として適切な換気と適度な保湿の実践に努めていただきながら、活動を行っていただいているところでございます。
感染症対策としては、日々の活動の中で基本的な感染予防対策を徹底していくことが重要であると考えておりまして、児童にも感染予防の大切さを説明して日常の習慣づけに結びつけるようにしているところでございます。
放課後児童クラブの職員、または児童が感染した場合については臨時休所ということになりますが、休所の規模や期間につきましては県と相談しながら判断することとしております。
新型コロナウイルス感染症のための臨時休所となった場合の国の基準によりますと、市の委託費については通常どおり開所したものとして減額は行わないこととされておりまして、運営団体の収入が減額されることはなく、休所期間中の利用料金については日割り計算により保護者に還付することになります。
放課後児童クラブの職員への慰労金についてのお尋ねもございました。
本年6月の定例会において菅野議員から、そして9月定例会において岡田もとみ議員から同様の質問がございまして、答弁をしているところでございますが、児童福祉施設の職員への慰労金は、基本的には介護施設などの職員への慰労金と同様に国が給付すべきものと考えております。
本年7月21日に実施した岩手県に対する要望の中で、
新型コロナウイルス感染症に対応している放課後児童クラブや保育所などの児童福祉施設の職員に慰労金を給付することについて、国に対して働きかけるよう県へ要望したところでございまして、今後国の動向を注視してまいりたいと考えております。
次に、放課後児童クラブの委託の形態についてでございますが、事業を実施する場所が公設の場合は指定管理により、民設の場合は業務委託により運営するという違いはありますが、どちらも放課後児童クラブの事業内容や事業運営、指定管理料や業務委託料の積算基準に違いはなく、事業の実施主体である市が適切に事業を実施できると認めた団体に委託を行っているところでございます。
なお、民設の場合には民間で整備した施設を借り上げるために必要な費用を市が助成しているところでございます。
次に、子ども食堂についてでございますが、子供の
居場所づくり事業の一環として、子ども食堂の新規開設に係る経費や子供の
居場所づくりの機能強化に要する経費について本年度予算を計上したところでございます。
子ども食堂については、実施を検討していた団体やこれまで試行的に実施していた団体もあったところでございますが、子ども食堂は子供や地域ボランティアが集まり、食事を通して交流を深める場でございまして、
新型コロナウイルス感染症への感染の不安が拭いきれないといったことから、本年度は現時点で事業を中止する旨の意向を受けているところでございます。
今後、状況が変わって実施主体となるNPO法人などの民間団体が実施に向けて検討を再開することとなった場合には、改めて継続的な取り組みに結びつけられるように対応してまいりたいと考えております。
○議長(槻山隆君) 15番、菅野恒信君。
○15番(菅野恒信君) 最初に、子供を守る施策についての再質問をさせていただきます。
関係者に聞きますと、慰労金などの手当の関係もありますが、一番心配なことは、毎日、濃密な接触を行う、子供ともそうですし、送り迎えをしてくる父母の方々ともそう、あるいは父母にかわって別な方が頼まれてお迎えに来るという場合もある。
そういう意味では接触する機会が非常に多いということで、
PCR検査などについて市が定期的に実施してもらえると非常に安心できると。
また、感染しない、させないというルールにも合致する、ぜひそういったことを市で検討してもらえないかという要望が寄せられました。
こうした要望についてはどのように向き合っていただけますでしょうか。
○議長(槻山隆君)
佐藤保健福祉部長。
○
保健福祉部長(佐藤鉄也君)
PCR検査の要望につきましては特に把握していないところでございますけれども、検査の実施等につきましては、午前中の答弁でも申し上げましたけれども、行政検査という部分は必要に応じて実施するものでございまして、希望するからということでの実施については考えていないところでございます。
○議長(槻山隆君) 15番、菅野恒信君。
○15番(菅野恒信君) マスコミ報道にありますように、日に日に感染者がふえている、そして重症患者もふえている、お亡くなりになっている方も非常にふえているという状況のもとで、職員だけではなくて保護者の方々も大変心配しながら放課後児童クラブにお世話になっているということだと思います。
このような心配を解消するためにも、今後県などにも要請するなどしながら
PCR検査ができるように御尽力いただきたいと思いますが、もう一度お答えいただけますか。
○議長(槻山隆君) 勝部市長。
○市長(勝部修君) 午前中に菅野議員と同じ会派の岡田議員にこの問題は既に答弁済みで、今も部長のほうから答弁させていただきました。
この
PCR検査の狙いとするところ、不安だからということで
PCR検査の対象を広げてほしいということについては、それはできないということは既に答弁済みでございますので、それで御了解いただきたいと思います。
○議長(槻山隆君) 15番、菅野恒信君。
○15番(菅野恒信君) 大変残念ですが、これからもどのような感染状態が続くかにもよるかもしれませんが、状況を見ながら検討していただければありがたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
慰労金につきまして、そんなにふえているわけではないと思いますが、例えば県内でも盛岡市とか滝沢市などで独自の方策で支給しているということも情報で聞いておりますが、市のほうではこの慰労金について県内がどんな状況なのか把握されていましたら御紹介いただければと思います。
○議長(槻山隆君)
佐藤保健福祉部長。
○
保健福祉部長(佐藤鉄也君) 県内の状況ということでは、お隣の平泉町では慰労金を支給しているということ、盛岡市では1人当たり1万2,000円の商品券を支給しているということ、そのようなあたりのことを情報としては把握してございます。
○議長(槻山隆君) 15番、菅野恒信君。
○15番(菅野恒信君) 私のほうでつかんでいる情報とほぼ同じですので、もう少しこれが広がってくれればと思います。
市長の答弁によれば、注視をしてという言葉を使われているようでありますが、ほかの市町村でもそのような前向きな取り組みが広がっていくことを期待しつつ、また、県を通じて国に対して要望してもらうようにということでもあります。
市長が言うように、確かに本来国が考えるべきものだということについては私も同感であります。
ぜひ、県を通じてなり市長会を通じてなり、国に対する働きかけを強めていただきますようによろしくお願いをしたいと思います。
次に、中長期的な行財政運営についてということであります。
行財政運営についてという言葉を私は使っておりますが、どういう市をつくっていくのかという基本的なことになるのではないかと思います。
私が大変気になっておりますのは、この間、3回ぐらいの行財政改革審議会の会議録をいただきまして目を通してみました。
そうすると、最初は自治体戦略2040という言葉というのはなかなか馴染まないということで、一関市独自の協働の
まちづくりという表現のほうがいいのではないかという意見があったりして、自治体戦略2040という言葉がうちの行政改革大綱の中に出ているわけではないと思います。
しかし、下敷きとすれば、その背景には国が今強力に進めている自治体戦略2040にあると、それを受けて全国の都道府県、市町村がそれに沿うような形でこれを策定しているものだと私は理解をしています。
その中で大変心配なことは、例えばプラットフォーム・ビルダーという用語が出てきます。
こういう用語が出たときに、行財政改革推進審議会の委員の中からもカタカナ語が多いと、これでは理解できないということで、もっとわかりやすい表現をするようにという意見が寄せられたということも目を通してみました。
プラットフォーム・ビルダーとは何かということで資料を調べてみました。
このように書いてあります。
総務省自治体戦略2040構想研究会で自治体は、市が直接サービスを提供するこれまでのやり方、サービスプロバイダからプラットフォーム・ビルダー、つまり、自治体はサービスを提供するのではなくて、その管理をしていくことになるということが自治体戦略2040の中に書かれているのですね。
また、それを解説する先生がそういう意味だということを書いている本も読みました。
よそは別といたしまして、私が心配するのは、一関市のこの行政改革なり集中改革プランの中で、自治体戦略2040にあるプラットフォーム・ビルダーという形、つまり、サービスの提供はやめていって管理する形になる、目指していくということは考えているのでしょうか。
○議長(槻山隆君) 鈴木総務部長。
○総務部長(鈴木淳君) 現時点での第4次行政改革大綱・集中改革プランにはそのプラットフォーム・ビルダーという文言はございません。
ただし、何でもかんでも市が直接サービスを直営でやるというものではなくて、例えば市民、各種団体、企業、行政、それぞれの適切な役割分担のもと、さまざまな分野での協働を推進するとともに、自立型の地域づくりの取り組みを支援するといった記載はございます。
○議長(槻山隆君) 15番、菅野恒信君。
○15番(菅野恒信君) 今のプラットフォーム・ビルダーに関してですが、これを解説している先生がこのようなことも書いております。
これは自治体戦略2040に直接記述されているかどうかは確かめてはおりません。
その先生の理解、解釈なのかもしれませんが、子育て支援や医療の提供はこれまでは自治体や行政サービスの役割でしたが、これからは民間へ委託する方針ですということで、これは一般論ではなくて子育て支援や医療の提供と書いてあるのです。
それは方針ですというので、先生の解説であれば、そういうことを国が目指していると考えられると書いているのですけれども、そういう方針ですと書いているところを見ると、これが国の方針そのものなのかと受け取れたのです。
市は国の自治体戦略2040について、そういう方向なのかということについてはどのように受けとめていますか。
○議長(槻山隆君) 鈴木総務部長。
○総務部長(鈴木淳君) 大きい意味で行政と民間の役割分担というものと捉えております。
なお、現在策定中の第4次行政改革大綱・集中改革プランの中には、子育て支援や医療分野について民間の役割とするというような直接的な文言はございませんが、先ほどお話ししましたが、適切な役割分担のもとでさまざまな業務は見直しを行ってまいりますし、民間の力を活用したほうがより効果的、効率的なものは民間委託などを進めていくということはこれまでどおり変わりないところでございます。
○議長(槻山隆君) 15番、菅野恒信君。
○15番(菅野恒信君) 私は業務の委託その全部を否定するつもりはありません。
しかし、今紹介したように、子育てや医療の提供も民間にやってもらうのだということになりますと、例えば市の保育園もそうなるのかと、既に盛岡市とか仙台市はその方向に動いています。
それから、病院となれば市立の国保藤沢病院もそういうことになるのかと、病院の再編統合の問題とも結びついていく危険性があるのではないかということで特定して質問したわけです。
ぜひ、国の流れは流れですが、一関市は独自に行政改革大綱に基づいて行財政改革推進審議会を開いてやるわけですから、そういう意味では、一関市の行財政改革推進審議会に市、または事務局の人たちが出て説明すると思いますので、その辺はしっかりと踏まえて市民のニーズに応えるような、市民に心配を与えないような、そういう方向に持っていっていただきたいと、このことを期待しておきたいと思います。
職員削減についてもお尋ねをいたしました。
これまでの一関市の3期15年間の行政改革、あるいは集中改革プランの中でどれだけ職員が減ってきたかと、これも何回か私は質問をしてきました。
例えば3期目が始まった平成28年、そして令和2年、今年度で終わりですが、この5年間だけを見ても、平成28年度に職員数は1,414人おりました。
これは市の行政改革資料に基づいてですが、令和2年度では1,327人ということで5年間で87人減っているということが出ております。
同じように、第1次、つまり15年前からの15年間を考えますと、かなりの人数が減っているのです。
ですから、災害であるとか
新型コロナウイルス感染症の感染拡大というようなことが起こったときに、市の勤務体制では対応できなくなると考えるので、単なる効率化というつもりはないという答弁だと思いますが、職員削減についても市が災害などに対応するときに困ることのないような適正化計画というのを定めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(槻山隆君) 通告時間に達しましたので、菅野恒信君の質問を終わります。
暫時休憩します。
午後2時42分 休 憩
午後2時43分 再 開
○議長(槻山隆君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、千田良一君の質問を許します。
千田良一君の質問通告時間は60分で、一問一答方式です。
11番、千田良一君。
○11番(千田良一君) 一政会の千田良一であります。
私は今回の議会において、一般質問を2件通告しております。
順次質問をさせていただきます。
まず、1点目、肉用牛の磐井牛ブランドの復活についてであります。
市町村合併前のこの地方を自動車で走ると、いわい牛の郷という看板をよく目にしたものであります。
それぞれの市町村には、磐井牛という共通のブランドの意識、そして、この地方で生産される肉用牛が磐井牛であるという認識があったものと理解しております。
旧一関市ではいわい牛まつりというものもございました。
生産者関係の方々に言わせれば、厳密に言えば繁殖、あるいは肥育の区別もあったということでありましたが、磐井牛というブランド、あるいはそういう名称に対する共通の愛着のような思いもあったものと理解しております。
30年ほど前になりますでしょうか、私は生産者農家ではないのですが、福昌、糸桜という牛の名もやはり耳に入って記憶に残っているものであります。
これが市町村合併、そして農協の合併、農協の合併については2度の合併かと思いますが、そういうものも経て、現在では西地区と東地区の農協の合併の際の名前をもとにしながら、いわて南牛になったという解説がございました。
生産者、関係者の方々の意向でそうなったものと思いますが、この内側に向かっての理由でいわて南牛というものになったと理解しております。
勝部市長は地産外商というものを高く掲げております。
戦略という、私からすれば幾分物騒な言葉に感じることがあるのですが、そうしながらも、とにかく市外の方々に特産物を知ってもらい、買ってもらうということを使命の大きな1つにしているものと推察してございます。
そこで、質問でございます。
現在、一関地方で生産されている黒毛和牛はいわて南牛と呼ばれているが、関係者以外には、いわて南では区域が広すぎて生産地が一関地方と特定できない印象があると言われております。
かつて一関地方には磐井牛ブランドというものがあったと認識しており、地域ブランドとして磐井牛を復活することについて、関係団体、利害関係団体と協議する考えはないかお伺いいたします。
次に、それを実現するためのハードルは何と考え、その克服のためにはどういう方策が考えられるかについてもお伺いいたします。
大きな質問、2点目でございます。
一関市総合計画前期・後期基本計画についてであります。
11月半ばごろだったと思いますが、一関市総合計画審議会から市長宛てに答申がなされ、その内容の説明を受けました。
その段階で私の質問をつくったわけでありますが、そのために今回、議案として提出されているということもあって、若干の行き違い、あるいは認識の違いもあるかもしれません。
そういうところがあったならば、ぜひ指摘をしていただきたいと思います。
その要旨でございます。
まず、1つ目、前期基本計画期間である今年度も終わっていないところではありますが、もうあと何カ月ということでございます。
そういう段階で結構でございますが、前期基本計画を振り返り、どのような分析、評価を行っているか。
2つ目、当初、前期計画をつくる際に期待していたものがあったはずでありますが、期待していたレベルに至っていない事項についての背景、原因をどう捉えているか。
3つ目、それらを後期計画において、どのように取り扱うのか、この3つについてお伺いするものであります。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
○議長(槻山隆君) 千田良一君の質問に対する答弁を求めます。
勝部市長。
○市長(勝部修君) 千田良一議員の質問にお答えいたします。
まず、肉用牛のブランド名についてのお尋ねがございました。
当地方の肥育牛ブランドであるいわて南牛という名称は、平成19年度から当時の岩手南農業協同組合、いわい東農業協同組合、両農業協同組合の生産部会や関係する一関市、平泉町、藤沢町がさまざまな側面から議論を重ねて検討した統一ブランド名でございまして、平成21年2月に7団体を会員とするいわて南牛振興協会設立総会において決定した名称でございます。
それまでは、旧岩手南農業協同組合の管内では岩手南というところを漢字で表記した岩手南牛という呼び方、旧いわい東農業協同組合の管内では岩手をひらがなで表記したいわて牛の名称でそれぞれ出荷していたところでございます。
この時点でもう磐井牛という名前は出てきておりません。
生産者、農業団体、市町で構成されるいわて南牛振興協会は、これまで11年間にわたり一丸となっていわて南牛ブランドの確立に向けたさまざまな取り組みを行ってきたところであります。
その結果、出荷先である東京食肉市場における肥育牛ブランドとしての認知度が定着してきており、現時点で生産者や関係団体とブランド名について協議しなければならないような状況にはないと捉えているところでございます。
肥育牛のブランド名につきましては、まず第一に生産者の意向を尊重することが大事でございまして、ブランド名の変更を協議するためには生産者を初めとする構成団体の意向を確認することが必要となりますが、ただいま申し上げましたように、現時点ではそのような状況にはないものと認識しているところでございます。
次に、前期基本計画の評価についてのお尋ねがございました。
基本的には、市民の目から見た評価というものが一番になるものと捉えております。
このため、毎年度、各分野の進捗状況を取りまとめた上で、これを附属機関として設置した総合計画審議会へ毎年報告をして、審議会からいただいた御意見を各部署で共有いたしまして進行管理に反映させているほか、本年は前期基本計画全体の評価を行うため、4カ年の総評も行い同審議会へ示したところでございます。
なお、これらの資料作成とあわせて、行政自身としての検証評価を行うため、内部組織として総合計画推進委員会を組織し、総合計画の進捗管理に当たらせているところでございます。
次に、一関市総合計画前期・後期基本計画に関連しての期待したレベルに至っていない事項についての背景、原因をどう考えているかという御質問がございました。
すなわち、進捗率の低い指標のことと思いますが、この進捗率の低い指標について、目標に達成していない主な要因といたしましては、障がい者福祉まつりなど各種イベントの参加人数については、市民や関係する企業、団体などへの周知不足により参加人数が低調となったことが1つあります。
それから、果樹などの農産物の生産量については、台風や長雨などといった自然災害の影響を受けたことなどの個別の事情によるもののほか、市営バスの年間利用者数などについては、当初設定した目標数値が人口減少や高齢化といった社会情勢の変化により過大となったことなどが挙げられると思います。
さらに、本年度にあっては、
新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、日常生活や経済活動が大きな影響を受けたことに伴い、目標を達成できない項目が出てくるものと認識しております。
進捗率が低い指標の一例を申し上げますと、マイナンバーカードの交付枚数についてでございますが、これは7万8,000枚の目標に対しまして令和元年度末で1万5,668枚、割合として20.1%にとどまっている状況でございます。
この指標の進捗率が低かった要因としては、マイナンバーカードを活用した行政サービスが限定されていたことや、市民に対してマイナンバーカードの必要性の周知が十分ではなかったことと捉えているところでございます。
なお、令和2年10月31日までのマイナンバーカードの交付申請件数が2万3,812件となってございまして、国の施策として本年の9月からマイナンバーカードを活用した消費活性化策、マイナポイント事業が展開されたことが、件数増加の要因の1つと捉えております。
令和3年3月からは健康保険証としての利用が予定されておりますことから、引き続きマイナンバーカードの必要性について啓発をして、市民への普及に努めてまいりたいと思います。
また、今後においては、PDCAサイクル、プラン、ドゥ、チェック、アクション、この精度を上げて十分な評価、検証をすることによって、次の施策への展開へと結びつけてまいりたいと考えております。
進捗率の低かった分野の後期基本計画における取り組みについてでございますが、前期基本計画4カ年の評価と検証を踏まえて進捗率の低かった分野については、現状と課題の明確化にまず努める必要があると思っております。
その課題の解消方法の検討を進めることによって、後期基本計画における分野ごとの施策の展開として記述した箇所に反映させたものでございます。
なお、数値指標を設定した項目のうち、
新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けると思われる指標の項目、まず1つには、観光入込客数など主に集客に関する人数を指標とする項目、博物館入館者数など施設の利用者数を指標とする項目などについては、3密を避けつつ、人との接触の機会を減らすことが求められているため、あくまでも現時点の見込みとなりますが、それらの影響を踏まえた目標設定としたところであり、具体的には観光入込客数について、本年9月末現在で前年比52.8%、これの内訳を見ますと、令和2年度が72万8,446人、令和元年度が138万229人と大きく落ち込んでいるところから、本年9月末現在で前年比52.8%と設定したところでございます。
令和元年度末の現状数値を令和7年度末における目標値として設定をして、博物館入館者数については本年9月末現在で前年比33.7%と大きく落ち込んでおります。
令和2年度は2,796人、令和元年度が8,297人、こういう大きな落ち込みを示しておりますことから、平常時のおおむね30%を令和7年度末における目標値にそれぞれ設定をしたところでございます。
また、
新型コロナウイルス感染症の影響がどの程度続くか不透明なこともございまして、目標とした数値はもとより、項目そのものも社会情勢の変化によって修正を余儀なくされることが予想されるところでございます。
このようなことから、主な指標の見直しについては、制度や社会の変化に合わせて柔軟に対応していくこととしております。
なお、そのほかのお尋ねにつきましては、関係部長が答弁いたします。
○議長(槻山隆君) 石川市長公室長。
○市長公室長(石川隆明君) 前期基本計画の評価の進め方についてであります。
後期基本計画の策定に当たり各分野における指標につきましては、本年7月に各担当部署へ照会し取りまとめを行い、8月に庁内組織である総合計画推進委員会で現状把握の方法、目標設定の考え方、令和元年度末の進捗率とその評価、前期基本計画4カ年の取り組みに対する総評を報告し、目標とする年度までの達成見通し、課題となる事項の検証、評価を行ったところであります。
9月にその内容を市の附属機関であります総合計画審議会へ報告し、御意見をいただいているところでありまして、その結果は総合計画審議会後に各担当部署にフィードバックしたところでございます。
なお、総合計画審議会の内容につきましては、市のホームページで公表して市民の皆様にもお知らせしているところであります。
また、総合計画審議会からいただいた御意見につきましては、分野ごとに現状と課題を整理するとともに、向こう3カ年度の個々の施策についての具体的な事業計画となる実施計画に反映させ、社会経済情勢の変化を見極めながら、ローリングにより見直しを行い、市の予算編成の指針にしているところでございます。
さらに、市議会各会派や各種団体からの要望事項を初め、市長へひとことや移動市長室で頂戴いたしました御意見などとあわせて重要度や優先度を総合的に判断し、予算編成にも反映させております。
○議長(槻山隆君) 11番、千田良一君。
○11番(千田良一君) 肉用牛のほうから再質問をさせていただきます。
いわて南牛の経過の説明を受けました。
私が冒頭にお話を申し上げたこの一関地方、両磐エリアに、いわい牛の郷という看板があったのを農林部長は見た記憶はございますか。
○議長(槻山隆君) 小崎農林部長。
○農林部長(小崎龍一君) いわい牛の看板、牛の形をした看板は、私は旧大東町出身ですけれども、大東地域にございまして、当時は旧大東町農協和牛生産部会が設置したという記憶がございますし、市内を走っていても、平泉町のほうを走っていても、まだ残されている部分があるとは見ております。
○議長(槻山隆君) 11番、千田良一君。
○11番(千田良一君) そのように、当時はそれぞれの9つの市町村があって、そのような状況であったわけです。
それで、私も磐井牛がいつの間にかいわて南牛になったというのははっきりとわからないでいました。
そして、あるときに、磐井牛というのは市場ではいわて南牛になっているのだということを聞いてびっくりしたことがあります。
そのようなことがあって、西地区では漢字で書いた岩手南牛、東地区のほうではいわて牛でしょうか、そのようなことで登録になっていたのかもしれません。
ただ、つくっている方々は磐井牛をつくっているのだという意識もあったかとは思います。
そうしたことがどうしても私は抜けないもので話をするわけですけれども、例えば隣の前沢牛がございますが、前沢牛に入らない牛はどうなっているかというと、岩手ふるさと農協の管轄の中では奥州牛という名称で取引されているということでございます。
前沢牛はエリアが決まっているということがあって、それ以外のところのA4、A5、B4、B5の牛については奥州牛と言われているということでブランド化されていると。
片や、今度は南のほうに移りますと、宮城県で生産される高品質な牛については仙台牛となっている。
そして仙台牛のレベルに達しない部分については仙台黒毛和牛という名称で、やはり仙台牛にかかわる言葉としてブランド化されている、そうしたことについてはもう既に当然把握されているかと思います。
そうしたときに、私も仙台牛を調べたときに、たしか仙台牛の3割ぐらいだったと思いますが、登米市で生産されているということです。
県境を越えれば栗原市、登米市です。
そちらで生産されている。
北のほうにいけば岩手ふるさと農協管内では前沢牛と奥州牛、奥州牛というのも4つのそれぞれの旧市町村が持っていた名称を統一したものということですが、前沢牛、奥州牛、仙台牛ということがあって、岩手南というのは一体どこを指すのかと言われたときに、これについて、平泉町を含めて一関市エリア、そのようなことを大きな声で言うことに何ら抵抗がないかどうか、そのあたりはいかがですか。
○議長(槻山隆君) 小崎農林部長。
○農林部長(小崎龍一君) いろいろお話をいただきました。
まず、磐井牛の話を若干させていただきます。
我々もこの質問をいただきまして、いろいろ調べさせていただきました。
かつて、旧花泉町には磐井家畜市場というものがございまして、平成8年9月まで子牛の取引をされていたと。
質問の中にございました福昌等々はその市場の看板の種雄牛ということで、その磐井家畜市場で取引されていた子牛を磐井牛という形で子牛、または繁殖素牛なり肥育素牛として取引がされていたという話でございます。
いわい牛まつりのお話がありましたけれども、漢字であれカタカナであれ、昭和61年ごろから旧一関市でも旧大東町でもありましたけれども、いわい牛まつりという形で牛肉の消費拡大を目指した取り組みがされており、旧一関市のほうでは平成13年ごろまでそういう名称を使って牛肉の消費拡大、事業に取り組んだというような記録もございます。
なお、そのあたりの実際の東京家畜市場への枝肉の出荷につきましては、旧一関市農協なり旧花泉農協では一関牛なり花泉牛といった名称で出荷されていたというお話も伺いました。
いわて南牛という名称になったのを調べてみましたけれども、JA岩手南が誕生したのが平成10年3月でございまして、その後、平成14年1月に漢字で岩手南牛と、マークは平泉の金色堂のマークを使った岩手南牛という名称で、今後は枝肉の出荷も消費者の皆さんへのPRも行っていくという旨の農協広報での記録も見たところでございます。
先ほど、仙台牛なり、お隣の前沢牛、奥州牛、江刺牛というのもあるとのお話ですけれども、そういう名称の関係でいきますと、岩手県では岩手県全体をいわて牛という名前でPR活動しています。
いわて南牛もそのいわて牛の1つのブランドとして取り扱っていただいておりまして、東京食肉市場への出荷の際には、いわて牛のスタンプといわて南牛のスタンプを2つ押してバイヤーに提供しているという状況でございます。
○議長(槻山隆君) 11番、千田良一君。
○11番(千田良一君) 今回、もう1つの質問で総合計画と通告していたので、前期のものと今回提案されている後期の計画に目を通しました。
その中に、一関のめぐみのブランドというようなこと、あるいはブランディングという言葉がありました。
そうしたときに、私はいわてでは弱いと思うのです。
確かに、北のほうに行けば、いわてという名称に対しての愛着はあろうかと思います。
ここには三ツ石神社の影響というのはなかなかないもので、そういうことを考えたときに、もっと固有のアイデンティティを持ちながらブランド、あるいは地産地消に向かってのいろいろな方策を考えられたらと思うのですが、いかがでしょうか。
○議長(槻山隆君) 小崎農林部長。
○農林部長(小崎龍一君) ブランディングのお話がございました。
名称、いわてでは弱いというお話です。
確かに、盛岡市のほうでの話とすれば、こちらは伊達藩ですから、そういう意味もあろうかと思いますけれども、農畜産物のブランド化という中では当然インパクトのある名称というのは非常に重要かと思いますけれども、それのもとになるのは安定した品質、そして安定した供給というものが当然必要になってまいります。
現在、東京食肉市場でのいわて南牛の出荷数量は年間600頭でございます。
そして、東京食肉市場での安定したブランドとして取引をしてもらっているのは、例えば仙台牛は2,400頭ということで、毎週確実に安定した頭数を出荷して、バイヤーがそれを確実に店舗に届けるという仕組みになってございますので、名称の部分も大変重要かと思いますけれども、我々としては実は年々生産量が減っているという中で生産量の確保、あとは品質の安定というものを中心に和牛の振興を進めていきたいと考えております。
○議長(槻山隆君) 11番、千田良一君。
○11番(千田良一君) ありがとうございます。
今回、この質問をつくるに当たって統計などの資料にも目を通しました。
確かに多くはないと思ってはいました。
ただ、今のお話で仙台牛の紹介がありましたが、前沢牛の年間の出荷頭数というのは御存じでしょうか。
○議長(槻山隆君) 小崎農林部長。
○農林部長(小崎龍一君) 手元に詳しい数字はございませんけれども、年間1,500、1,600頭だと思います。
ですから、産地としては旧前沢町、今では前沢地域ですけれども、狭いエリアの中で決して大きな産地にはなっていないということで、他の全国ブランドの産地は単位がもうちょっと広いので、その辺との違いをどう対応していくかというのが産地の課題だと伺ったことはございます。
○議長(槻山隆君) 11番、千田良一君。
○11番(千田良一君) そうしますと、頭数がどんどん減っているということが私も自分の質問として理解できました。
ありがとうございました。
今回のコロナ禍においても牛マルキンの話は何度もされております。
そのようなものが現実の話としてあったときに、やはり産地としての確立に向かっての努力というもの、ブランド化なり、あるいは農家の所得を上げることが、今まで以上に必要だということを理解いたしました。
ありがとうございました。
それも関係するのでしょうか、一関市のふるさと応援寄附の返礼品にいわて南牛とかそういう名前のものはありますか。
○議長(槻山隆君) 小崎農林部長。
○農林部長(小崎龍一君) いろいろ業者とやりとりをしましたが、返礼品という形での商品にはなっていない状況です。
○議長(槻山隆君) 11番、千田良一君。
○11番(千田良一君) そうですね、見かけることもないです。
それで、近隣の、特に市ですが、そちらのふるさと応援寄附への返礼品には御当地の牛肉というのはあるのです。
ここの一関市で何があるのかと思って見ると、門崎熟成肉というようなものはあったのですが、一関市がブランド牛として、あるいはブランドの牛乳として出しているいわて南牛がないという実態、こういう実態があるにもかかわらず、総合計画では一関のめぐみブランドで上げますということがあったときに、牛肉というのは生産者にとって単価の大きいものです、所得の大きいもの、収入の大きいものです。
そうしたものについて、ブランド化と言っても結局は実態がなかなか見られないということが、私が今回、この質問を出す背景にございました。
生産者農家の方々には何も不都合はないのだということがありますが、この一関地方、そして磐井地方の、ここに住んでいる者としてのアイデンティティ、あるいはそこから生産される肉用牛のブランド化、そういうものを考えたときに、すぐにはいかないとしても、これを契機にそういうこともやっていただいて、ぜひこの地方のブランド、そして誇りの持てるような農業、あるいは畜産の振興というものをお願いしたいと思います。
ありがとうございました。
続いて、総合計画についてであります。
総合計画については、先日の岩渕善朗議員の一般質問に対して、成果として指標に対する達成率について答弁がございました。
公衆Wi-Fiの利用件数でたしか800%を超えるとか、そのような話が私のメモには残ったわけですけれども、その800%という数字に違和感はございませんか。
○議長(槻山隆君) 石川市長公室長。
○市長公室長(石川隆明君) それぞれの施策の中で政策項目の進捗状況を各年度確認するために、その施策分野、全体をできるだけ進捗状況をあらわせるようなものとして、指標をそれぞれの分野ごとに設定しているところでございます。
これは5年前の現在の前期計画を策定するときにもそのようにして設定したわけでありますけれども、いずれ進捗状況がいいという点ではいいのでありますが、公衆Wi-Fiの利用件数の分だけではございませんけれども、総合計画審議会においても、その数値目標の設定の仕方についてはもっと検討を深くするようにという御意見もいただいているところであります。
今、議員がお話しいただいた数字については、途中で見直すということをしてきませんでしたので、結果的にあのような数字になったのだと理解してございます。
○議長(槻山隆君) 11番、千田良一君。
○11番(千田良一君) 指標を出して一定の期間が過ぎてその結果を出す、そしてそれを比べてどうというところで終わってしまっているところもあるのではないかと私は思うのです。
数字というのは、出てきたものの背景、裏を見ないと、何でこうなったのかということを考えないと結果は生きてきません。
そういうことを考えたとき、やはり指標を立てるときに、例えば先ほどの公衆Wi-Fiの話になると、これは一回に入れれば、便利さということになれば急激に伸びる要素のものだと、そのようなことを考えれば、いろいろなことが考えられると思うのです。
優秀な職員をシンクタンクに抱えている市役所ですので、ぜひその辺をきちんとした形でお見せいただきたいと思います。
続いて、2つ目でありますが、ILCについてです。
重点プロジェクト2、ILCを基軸とした
まちづくりが掲げてあります。
これについても総合計画審議会の会議録を見ますと、私が想定したところについても出ておりました。
私はこれはどうなのかと今でもわからないのですが、ILCを基軸とした
まちづくりとして、基軸としたとなっているのです。
私の日本語の感覚では、現在、過去、未来のこの時制、中学、高校のときに時制という言葉、時間の制約ですが、それを思い出したのですけれども、ILCを基軸としたとなると、ILCはもうあるという理解になるのです、過去形ですから。
こういうことに関しては、総合計画審議会でも委員の方から意見が出ていたように私も見ています。
そうしたものを考えるときに、やはりこの文言というのは私は正しくないと思うのです。
例えば、ILCを目指してとか、実現を目指してということであれば、それに対して今、一関市ができることはこうだというのならわかります。
この辺についてはいかがでしょうか。
○議長(槻山隆君) 石川市長公室長。
○市長公室長(石川隆明君) ただいま議員からお話のありましたILCを基軸とした
まちづくり、1部の重点プロジェクトの中に掲載しているわけでありますが、これは議員お話しのとおり、総合計画審議会の中でも御意見をいただいたのは確かであります。
総合計画審議会の中での御意見の趣旨は、ただいま議員がお話しのような内容でありました。
ここで言わんとしているのは、ILCの実現を目指して、ILCを見据えて、例えば国際化に向けた
まちづくりであったり、子供たちが科学に触れる機会をふやしたりということの
まちづくりを進めていくという取り組みを、これらはILCが実現する、しないにかかわらず、今後市で取り組んでいく重要な政策分野ということからILC実現後の
まちづくりの全体を表した意味合いを込めて、タイトルをILCを基軸とした
まちづくりという表現にさせていただいたということでございます。
○議長(槻山隆君) 11番、千田良一君。
○11番(千田良一君) そうすると、目標と手段というのがひっくり返っていませんか。
子供たちにもそういうものを学んでもらいながら
まちづくりを目指す、科学に通じた市民が多くなるような、そういう立市、
まちづくりをやっていくのだと、そこのところに大きなファクターとしてILCが入っているのだというような話であればわかるのです。
その手段と目標というのがひっくり返っていませんか。
○議長(槻山隆君) 石川市長公室長。
○市長公室長(石川隆明君) 今回の総合計画の重点プロジェクトの欄をごらんいただいてもそのとおりですけれども、ILCというのは国際プロジェクトという、そもそも当市、日本そのもので直接的に経験したことのない超大型プロジェクトだということが1つあります。
それを推進していくために、今まで経験したことのないような政策を展開していくというのも事実であります。
その中にあって、1つにはILCという大きなものを見据えつつ、先ほど言いました近代化であれ、イノベーションであったり、国際人材の育成とか、そういうものもあわせてやっていくというものがありますので、目的と手段という物事の考え方というようには捉えてはおりません。
これは同時に進行するものだと考えていた、どちらかというとそういうイメージであります。
○議長(槻山隆君) 11番、千田良一君。
○11番(千田良一君) そのようなお考えだということですが、ILCというのは、先ほどあったように、日本の国のプロジェクトでもあり、国際プロジェクトだということですが、それを一関市の総合計画の重点プロジェクトだというところが私は今のお話だと理解できないのです。
先ほど申し上げたように、これはあくまでも手段だということであればわかります。
手段ではなく目標だと言われると、一関市だけではどうにもならないILCを一関市の総合計画の正面に持ってくるという、その辺がどうも私は理解できないのです。
違いますか。
○議長(槻山隆君) 石川市長公室長。
○市長公室長(石川隆明君) ですから、目的と手段という考え方ではないというのが、今議員が御質問いただいたところであります。
その答えが先ほどの目的とか手段とかという考え方で整理したものではないということでありますし、これは基本構想の10年間の期間中の前期計画においても同様の考え方で重点プロジェクトとして掲げられたものでございます。
○議長(槻山隆君) 11番、千田良一君。
○11番(千田良一君) ここについてはこれ以上やってもなかなか話がかみ合わないところがあるので次にいきます。
総合計画を策定するに当たって、時間と総合計画審議会委員の方々、そして
まちづくりスタッフ会議とか、高校生とのワークショップ、アンケート、こういう方々からたくさん意見、提案をいただきながら今回の提案になっているものと思いました。
これにかかわった方々の御苦労には本当に私は敬意を表するものであります。
この会議録を全部読んでいって、その中で取り入れられる、あるいは取り入れられないという意見ものもあったようでございます。
それについての取り入れられた意見の具合というのはどんな感じですか。
○議長(槻山隆君) 石川市長公室長。
○市長公室長(石川隆明君) ただいま御紹介いただきましたような策定に対する市民の皆様のかかわりについては、本当に真剣にこの
まちづくりについて考えているのだというのをつくづく感じましたし、真摯な態度で臨んでいただいたことには本当に感謝しているところであります。
そこでいただいたいろいろな御意見があります。
その御意見については、先ほどもお話しいたしましたけれども、特にも総合計画審議会からはかなり厳しい御意見をいただいておりますけれども、それ以外の部分についても直接所管する部署にこういう意見があったということ紹介しつつ、それで今、担当部署で考えている施策の組み立てを修正できるかできないかをその都度やりとりをしながら内容については詰めてきたという経緯があります。
ですから、いただいた御意見については、当然できないものもありますし、計画期間5年間というのが10年、15年先のような御意見も当然ありました。
そのようなことでありましたけれども、極力掲載できるものについては計画に盛り込んだつもりであります。
○議長(槻山隆君) 11番、千田良一君。
○11番(千田良一君) 会議録の中に取り入れられなかったものにもいいものがたくさんあると、そういうことも記載されているわけです。
これをストックしていて、次の計画をつくるときの参考にしてはという意見もあって私も頷きました。
それとともに、10年間の総合計画の構想の期間があって、今回は後期の部分をやっているのだと、そうしたときにいろいろなものが出たのだけれども、これはあくまでも全体の中での後期の分だからといって、そこで外されてしまうというものもあったように私は見ました。
先ほどの石川市長公室長の話の中でもそのようなニュアンスはとれるかと思います。
そうしたときに、これだけのスケジュールを組んで、いろいろな人たちの意見をもらってきた、でも、大もとの総合計画基本構想があるからといったとき、何でこんなに大々的にやらなければならなかったのですか。
これは下手な言葉で言うと、協働のためのアリバイづくりかと、そんなことも私はちらっと思ったのです。
決してそうではないと思いますけれども、ただ、そのように大きなもとがあって、今回やれる部分はこの部分だと言いながら風呂敷を広げてどんどん意見をいただいてしまったというような認識はございませんか。
○議長(槻山隆君) 石川市長公室長。
○市長公室長(石川隆明君) 総合計画であります。
分野別計画ではありませんので、総合計画でありますから、限りなく市政全般の政策、施策分野について御意見をいただくというのはある意味当然ではないかと思いますし、多くの市民の方々に御参画をいただきましたのは、今後の
まちづくりにおいても市民の方々に関心を持っていただいて、
まちづくりに参画いただきたいという思いなどもありまして、いろいろな場面でいろいろな御意見をたくさん頂戴したということであります。
○議長(槻山隆君) 11番、千田良一君。
○11番(千田良一君) 私の勘ぐりに過ぎなくて大変失礼いたしました。
市民の人たちは市役所がもとになって計画をつくるということに対して非常に関心を持っているのです、期待も持っているのです。
そういうものを考えたときに、全ての懇談会に人が来るわけではないのですが、どうぞ、御意見をと言ったときにやはり来る方は真剣にお話しされていると思うのです。
そうしたものを踏まえて今回仕上がっているということでありますので、これはこれで今の一関市総合計画をつくる行政のレベルということで、これはそれを受け入れることがかかわった方々に対する敬意でもあるかと思っております。
この後期計画をこれから実施していくに当たって、この中には夢のプロジェクトという言葉もありますね。
そのような表現はちょっと乱暴なのですが、地面からちょっと浮ついたようなものではなく、実際に計画を実施していくに当たっては、一関市の大地にしっかりと根差した計画実施、また、行政運営をお願いして私の質問を終わります。
以上です。
ありがとうございました。
○議長(槻山隆君) 千田良一君の質問を終わります。
以上で一般質問を終わります。
以上で本日の議事日程の全部を議了しました。
次の本会議は、12月18日午前10時に再開し、議案の審議を行います。
本日はこれにて散会します。
どうも御苦労さまでした。
散会時刻 午後3時41分...