松山市議会 > 2011-02-16 >
02月23日-01号

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  1. 松山市議会 2011-02-16
    02月23日-01号


    取得元: 松山市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-07
    平成23年 3月定例会                 平成23年          松山市議会第1回定例会会議録 第1号          ──────────────────                                松山市告示第44号                                平成23年2月16日                            松山市長 野 志 克 仁  3月定例市議会を次のとおり招集する。                   記  1 日 時  平成23年2月23日(水)午前10時  2 場 所  松 山 市 役 所─────────────────────────────────────             平成23年2月23日(水曜日)             ───────────── 議事日程 第1号   2月23日(水曜日)午前10時開議日程第1 会議録署名議員指名日程第2 会期の決定日程第3 諸般の報告日程第4 議案第1号 平成22年度松山市一般会計補正予算(第8号) 議案第2号 平成22年度松山市国民健康保険事業勘定特別会計補正予算(第3号) 議案第3号 平成22年度松山市介護保険事業特別会計補正予算(第3号) 議案第4号 平成22年度松山市道後温泉事業特別会計補正予算(第1号) 議案第5号 平成23年度松山市一般会計予算 議案第6号 平成23年度松山市競輪事業特別会計予算 議案第7号 平成23年度松山市国民健康保険事業勘定特別会計予算 議案第8号 平成23年度松山市介護保険事業特別会計予算 議案第9号 平成23年度松山市母子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算 議案第10号 平成23年度松山市駐車場事業特別会計予算 議案第11号 平成23年度松山市道後温泉事業特別会計予算 議案第12号 平成23年度松山市卸売市場事業特別会計予算 議案第13号 平成23年度松山市勤労者福祉サービスセンター事業特別会計予算 議案第14号 平成23年度松山市鹿島観光事業特別会計予算 議案第15号 平成23年度松山市小規模下水道事業特別会計予算 議案第16号 平成23年度松山城観光事業特別会計予算 議案第17号 平成23年度松山市後期高齢者医療特別会計予算 議案第18号 平成23年度松山市公債管理特別会計予算 議案第19号 平成23年度松山市公共下水道事業会計予算 議案第20号 平成23年度松山市水道事業会計予算 議案第21号 平成23年度松山市簡易水道事業会計予算 議案第22号 平成23年度松山市工業用水道事業会計予算 議案第23号 特別職の職員で常勤のものの給与に関する条例等の一部改正について 議案第24号  松山市職員の育児休業等に関する条例の一部改正について 議案第25号  松山市坂の上の雲ミュージアム条例の一部改正について 議案第26号  松山市中島総合文化センター条例の一部改正について 議案第27号  松山市学校給食共同調理場設置条例の一部改正について 議案第28号  松山市地域交流センター条例の制定について 議案第29号  松山市国民健康保険条例の一部改正について 議案第30号  松山市国民健康保険事業運営基金条例の一部改正について 議案第31号  松山市特別会計条例の一部改正について 議案第32号  松山市乳幼児医療費の助成に関する条例の一部改正について 議案第33号  松山市手数料条例の一部改正について 議案第34号  松山市が設置する一般廃棄物処理施設に係る生活環境影響調査結果の縦覧等の手続に関する条例の一部改正について 議案第35号  松山市下水道条例の一部改正について 議案第36号  松山市駐車場条例及び松山城山索道条例の一部改正について 議案第37号  松山市水道事業の設置及び経営の基本に関する条例及び松山市水道事業給水条例の一部改正について 議案第38号  包括外部監査契約の締結について 議案第39号  松山地区広域市町村圏協議会の廃止について 議案第40号  松山市役所前地下駐車場に係る指定管理者の指定について 議案第41号  公有水面埋立について(元怒和漁港区域内地先松山市施行分) 議案第42号  市道路線の認定について 議案第43号  松山市畑寺福祉センター及び松山市畑寺児童館に係る指定管理者の指定について  (所信表明演説.説明)   ──────────────── 本日の会議に付した事件日程第1 会議録署名議員指名日程第2 会期の決定日程第3 諸般の報告日程第4 議案第1号~第43号   ──────────────── 出席議員(44名)  1番  中 村 嘉 孝  2番  杉 村 千 栄  3番  宮 内 智 矢  4番  松 井 宏 治  5番  吉 冨 健 一  6番  大 塚 啓 史  7番  武 田 浩 一  8番  上 杉 昌 弘  9番  梶 原 時 義  10番  小 崎 愛 子  11番  渡 部   昭  12番  原   俊 司  13番  藤 本 公 子  14番  福 岡 玲 子  15番  渡 部 克 彦  16番  若 江   進  17番  山 本 昭 宏  18番  菅   泰 晴  19番  大 亀 泰 彦  20番  武 井 多佳子  21番  篠 崎 英 代  22番  友 近   正  23番  土井田   学  24番  砂 野 哲 彦  25番  雲 峰 広 行  26番  小 林 宮 子  27番  丹生谷 利 和  28番  八 木 健 治  29番  今 村 邦 男  30番  栗 原 久 子  31番  寺 井 克 之  32番  森 岡   功  33番  宇 野   浩  34番  猪 野 由紀久  35番  松 下 長 生  36番  松 岡 芳 生  37番  大 木 正 彦  38番  清 水 宣 郎  39番  川 本 光 明  40番  白 石 研 策  41番  大 西 弘 道  42番  池 本 俊 英  43番  田 坂 信 一  44番  中 西   智   ──────────────── 欠席議員(0名、欠員1名)   ──────────────── 事務局出席職員職氏名  事務局長     宮 崎 敬 二  総務課長     清 水 美 惠  議事調査課長   渡 部 俊 明  議事調査課主幹  仙 波 章 宏  議事調査課副主幹 金 森 和 久  議事調査課副主幹 篠 原 陽 三   ──────────────── 説明のため出席した者の職氏名  市長       野 志 克 仁  副市長      稲 葉 輝 二  副市長      山 口 最 丈  総務部長     山 本 昭 弘  総務部契約管理担当部長           福 本 正 行  理財部長     遠 藤 美 武  理財部企画官   黒 田 誠二郎  総合政策部長   白 石 義 秀  総合政策部水資源担当部長           池 内 昭 博  総合政策部坂の上の雲まちづくり担当部長           矢 野 大 二  財政課長     前 田 昌 一  市民部長     三 好 龍 彦  保健福祉部長   村 上   正  保健福祉部社会福祉担当部長           田 中 郁 夫  環境部長     江 戸 通 敏  環境部環境施設担当部長           若 田 吉 昭  都市整備部長   古 鎌   靖  都市整備部開発建築担当部長           松 本 勝 志  下水道部長    木 寺 政 良  産業経済部長   梅 岡 伸一郎  産業経済部農林水産担当部長           田那辺 泰 典  産業経済部競輪事業担当部長           吉 野 隆 彦  消防局長     西 原 忠 悦  教育長      山 内   泰  教育委員会事務局長藤 田   仁  教育委員会委員長 金 本 房 夫  会計管理者    上河内   孝  公営企業管理者  渡 辺 滋 夫  公営企業局管理部長平 岡 陽 一   ~~~~~~~~~~~~~~~~       午前10時0分開会 ○田坂信一議長 ただいまから平成23年第1回定例会を開会いたします。 市長より、今議会招集あいさつがあります。野志市長。 〔野志克仁市長登壇〕 ◎野志克仁市長 本日、ここに議員の皆様方の御参集をいただき、平成23年第1回定例会を開会するに当たりましてごあいさつを申し上げます。 初めに、議員の皆様方には平素から市政運営に対しまして格別の御理解と御協力をいただいておりますことに、深く感謝を申し上げます。 今議会では、平成23年度当初予算案を初め予算案と関連する条例の改正案など、いずれも当面する市政の重要案件について御審議をお願いすることといたしております。特に、今回は、私が市長に就任して初めての当初予算であり、市民の皆様とお約束した公約の実現に向けた取り組みを含め、編成いたしました。 御案内のとおり、財政運営は引き続き大変厳しい状況下にありますが、常に前向きの姿勢を忘れず、市民主役まちづくりを追い求め、将来につながる施策を積極的に推進することを基本とし、議案を提案した次第でございます。何とぞ十分な御審議をいただき、適切な御決定を賜りますようお願い申し上げまして、今議会の招集あいさつとさせていただきます。   ──────────────── ○田坂信一議長 これより、本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付の日程表第1号のとおりであります。   ──────────────── ○田坂信一議長 まず、日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員は、会議規則第78条の規定により、議長において2番杉村議員及び3番宮内議員を指名いたします。   ──────────────── ○田坂信一議長 次に、日程第2、会期の決定を議題といたします。 お諮りいたします。今期定例会の会期は、本日から3月18日までの24日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○田坂信一議長 御異議なしと認めます。したがって、会期は24日間と決定いたしました。   ──────────────── ○田坂信一議長 次に、日程第3、諸般の報告を申し上げます。 まず、地方自治法第121条の規定により、市長以下関係理事者の出席を求めております。 次に、市長から報告第1号ないし第5号をもって交通事故による専決処分の報告等5件の報告がありましたので、お手元に配付いたしております。 次に、監査委員からお手元配付の監査等結果報告一覧表のとおり、2件の報告がありましたので、即日写しを送付しておきました。 次に、議会運営委員の辞任について御報告いたします。 議会運営委員のうち、原委員から、2月16日付をもって同委員を辞任したい旨の願い出がありましたので、委員会条例第10条の規定により、同日付をもって、議長においてこれを許可いたしました。 次に、議会運営委員補充選任について御報告いたします。 原委員の議会運営委員辞任による欠員補充のため、その選任については、委員会条例第4条第1項の規定により、友近議員を2月16日付をもって、議長において指名いたしました。 次に、地域主権検討特別委員の辞任について御報告いたします。 地域主権検討特別委員のうち、土井田委員から、2月16日付をもって同委員を辞任したい旨の願い出がありましたので、委員会条例第10条の規定により、同日付をもって、議長においてこれを許可いたしました。 次に、地域主権検討特別委員補充選任について御報告いたします。 土井田委員地域主権検討特別委員辞任による欠員補充のため、その選任については、委員会条例第4条第1項の規定により、松井議員を2月16日付をもって、議長において指名いたしました。 最後に、先般実施をされました平成22年度松山市議会海外都市行政視察の報告につきましては、海外都市行政視察団より報告を行いたい旨の申し出があり、3月18日、今定例会最終日において議題とし、報告を行いますので、御了承願います。 以上で、諸般の報告を終わります。   ──────────────── ○田坂信一議長 次に、日程第4、議案第1号ないし第43号の43件を一括議題といたします。 ただいまから平成23年度の所信表明並びに上程議案について説明を求めます。まず、野志市長。 〔野志克仁市長登壇〕 ◎野志克仁市長 平成23年第1回定例会の開会に当たり、平成23年度当初予算案を初め市政の重要案件につきまして、その概要とあわせて私の市政運営に対する所信を申し上げ、議員各位を初め市民の皆様方の御理解と御協力をお願い申し上げたいと思います。 私は、昨年12月、市長に就任後初めての定例会におきまして、まちづくりに向けての基本的な考え方や姿勢などについて申し述べさせていただきましたが、就任以降、市長として市民の皆様とじかに接する機会の中で得られた成果も踏まえ、ここで改めて私のまちづくりに対する所信を申し上げたいと思います。 私が市政を担当してから3カ月が過ぎようとしております。振り返ってみますと、あっという間でありましたが、非常に充実した3カ月でもありました。市長職を担う責任感と使命感、そして緊張感を持つ中で、一人でも多くの人を笑顔に、そして、私自身も笑顔を忘れずに、常に前向きな姿勢で、市政運営に全精力を傾けてまいりました。この間、議会も経験し、議員の皆様とまちづくりについての議論を少しずつ深めることができているのではないかと考えております。また、市民の皆様が参加する多種多様なイベントなどにも出席させていただいておりますが、いずれも活気にあふれており、私が激励いたすべきところを、逆に市民の皆様から前向きに頑張ることができる力をいただくという状況が多くありました。同時に、タウンミーティングなどを通じて、市民の皆様と直接お話をし、さまざまな御意見や御提言をいただく中で、私が掲げたまちづくりに対するビジョンも、市民の皆様と一緒に、より確かなものに磨き上げられつつあると、手ごたえを感じているところでございます。しかしながら、少子高齢化核家族化が急速に進行する中、地域社会におけるきずなの希薄さが、今ほどクローズアップされているときはありません。そのような現状であるからこそ、さまざまな立場にある住民一人一人が多様な観点からまちづくりを意識し、参加し、支え合う関係をつくり上げることが重要です。地域社会のつながりを相互に担うパートナーとして、私たち行政は何ができるのか、何をしなければならないのか、住民の皆様と一緒になって知恵を出し合い、常に市民目線に立った市政運営を心がけていかなければならないとの思いを強くしております。そして、それを実現するための心の持ちようとして、忘れてはならないキーワードが前向きな精神であると考えております。厳しい社会情勢ではありますが、厳しいからと下を向いていては何も始められません。逆境にあるときに暗く悲しい顔をしていると、苦しみがますます大きくなるように感じられます。そんなときこそ、できない理由をあれこれ、あげつらうのではなく、どうすればできるかということを考えながら、しっかりと前を見据えて前向きに進んでいくことが必要です。そして、前に進むための原動力となるものが笑顔です。笑顔は、人間関係の潤滑油であり、極めて対外的な役割を担う、いわば心の握手でもあると言われます。私たちは、笑顔を通じて互いに心を開き、その人間関係の中で、相手から多くのことを学ぶことができ、そして理解し合う力が生まれます。その力こそが、これからのまちづくりには不可欠なものであると信じております。さらに、私の持ち味は、現場感覚を大切にしながら、自由な発想ができることであり、また民間の厳しいコスト意識から生まれる視点を持ち合わせていることであると思っております。「一人でも多くの人を笑顔に 全国に誇れる、わがまち松山」をスローガンとする私の描くまちづくりは始まったばかりではありますが、前向きな精神と笑顔を絶やさず、私自身の持ち味を最大限発揮する中で、市民目線の発想を大切にし、民間の感覚を取り入れ、笑顔あふれるまちづくりを追求していこうと決意を新たにしているところでございます。 さて、ここで現在の国内の政治・経済状況に目を移しますと、御案内のとおり、日本経済はリーマン・ショック後の経済危機を克服し、外需や政策の需要創出雇用下支え効果により、景気の足踏み状態から脱しつつありますが、景気刺激策の反動減、中東諸国の政情不安に起因する原油など資源価格上昇懸念新興国経済の減速による輸出の鈍化などの要因により、雇用・所得環境の改善は依然厳しく、先行きに不透明感が増してきているところでございます。また、内閣府が発表した2010年の国内総生産、いわゆるGDPの速報値によりますと、国際比較に使われる名目GDPは、ドル換算で中国を下回り、42年間維持してきた世界第2位の経済大国の座を明け渡したとのことであり、もはや日本経済は中国を中心としたアジア経済の動向に大きく左右されるとも言われております。さらに、国会においては、昨年の参議院議員選挙の結果、再び衆参のねじれ現象が生じており、赤字国債を発行するための特例公債法案子ども手当法案地方交付税等改正法案などの予算関連法案年度内成立が危ぶまれております。これらが年度内に成立しないようであれば、新年度の財政運営に大きな支障を来すおそれがあり、地方財政を預かる立場からも、国の政局不安のしわ寄せを地方に押しつけないでいただきたいと、強く感じております。また、こうした中、先ごろ閣議決定された、地方公共団体財政運営上の指標ともなる平成23年度地方財政計画における国の地方財政への対応は、地方交付税の増額など地方一般財源の総額について、平成22年度の水準を確保した上で、臨時財政対策債を大幅に縮減するなど、地方財政の健全化に形の上では配慮がなされているものの、地方税が増収するとの前提であり、現下の厳しい経済状況雇用情勢を踏まえると、本市においては、地方財政計画で見込まれるほどの市税収入の回復は期待できず、また、住民の求めるものが多様化・高度化する中で、特に社会保障関係経費の増大に対応しながら、地域経済の活性化を強く求められるなど、本市の今後の財政運営は、一層厳しいものになるとの覚悟をしなければならないと考えております。しかし、こうした中であるからこそ、松山に住んでいてよかった、そしていつまでも住み続けたいと市民が願う魅力ある松山市であり続けるために、市民みずからの手でまちづくりを進めていくことを基本に、知恵と工夫を凝らし、前向きな姿勢を絶やすことなく、市民一人一人の声を大切に、将来に向けた活力あるまちづくりを追求していかなければなりません。 そこで、平成23年度の本市予算編成に当たりましては、引き続き健全な財政運営へのガイドラインを遵守するなど、持続可能な財政運営を追求する姿勢を堅持する中で、職員の意識改革の浸透及び能力向上を図りながら、さらなる行財政改革努力を行うとともに、これまで培ってきた財政的体力を生かし、市債の借りかえを行わないことなどにより、市債残高の縮減に努めることといたしました。加えて、地域経済の活性化にも気を配り、引き続き雇用の創出や中小企業資金融資対策を充実するとともに、市営住宅建てかえや都市下水路整備などの、市単独で取り組む市民生活関連社会資本整備の促進について、前年度を上回る事業費を確保するなど、直面する緊急課題の解決に向けて積極姿勢で臨むこととし、財政の健全性を確保しながら、大好きな松山が笑顔あふれるまちとなることを目指した予算編成といたしました。さらに、今回は、私が松山市長に就任してから、初めて取り組む本格的な予算編成であり、私が市民の皆様にお約束した公約を実現するための本格的な第一歩でもあることから、全国に誇れる、わがまち松山において、一人でも多くの市民を笑顔にするために掲げた7つの政策、すなわち「誇れる行政サービスで笑顔に」、「誇れることばで笑顔に」、「誇れるまちの安全・安心で笑顔に」、「誇れる子育てで笑顔に」、「誇れる福祉・医療で笑顔に」、「誇れるまちの長所を活かし笑顔に」、そして「誇れる地域の宝を磨き笑顔に」という公約に沿い、できる限りその具現化に取り組むことといたしました。その結果、新年度の当初予算案の規模につきましては、一般会計で1,721億1,000万円、特別会計で1,372億740万円、また、企業会計で401億3,982万円、合計では3,494億5,722万円となっております。これを平成22年度当初予算と比較いたしますと、一般会計では、前の年度を121億3,000万円、率にして7.58%上回る規模となっております。昨年度と比較すると、生活保護支給事業障害福祉サービスなどの社会保障関係費が大幅に増加していることや、平成22年度当初予算では計上していなかった子宮頸がん等ワクチン接種事業実施のための予算を計上していること、さらに平成25年度供用開始を目指し、順調に進捗している新西クリーンセンターの建設に係る事業費が増加していることなどにより、民生費及び衛生費が著しく伸びていることが、一般会計予算総額を押し上げている大きな要因となっております。一方、公債管理特別会計を除く特別会計全体は、特別競輪開催による競輪事業特別会計での増要因はあるものの0.59%の増、企業会計は0.57%の増となっており、どちらも平成22年度とほぼ同じ規模となっております。さらに、公債管理特別会計を合わせた全体では、2.72%の増となっております。また、一般会計の財源においては、一般財源として、市税600億円、地方交付税212億円のほか、地方消費税交付金臨時財政対策債基金繰入金などで289億8,998万8,000円、合わせて1,101億8,998万8,000円を充当することとしております。一方、国・県支出金、市債などの特定財源につきましては、619億2,001万2,000円を計上しております。さらに、平成23年度当初予算案を健全な財政運営へのガイドラインに照らして見てみますと、まず経常収支比率などに影響する経常的経費については、人件費を極力圧縮するなど経費削減には努めているものの、扶助費などの社会保障関係経費が大きく増加していることから、3.34%の伸びとなっております。また、市債依存度については、10%以内を目標とするところ、新西クリーンセンター建設の経費に充てるための市債借り入れの増があるものの、ほかの市債借り入れを抑制することにより、9.61%と目標数値内となっております。なお、地方交付税の振りかえである臨時財政対策債を除けば、5.20%となっており、引き続き財政の健全性は維持できているものと考えております。 それでは、当初予算案における主要事業につきまして、私の市政推進の柱とも関連させながら順次御説明を申し上げます。まず、1つ目の柱であります「誇れる行政サービスで笑顔に」であります。私は、行政とはサービス産業であり、市政運営地域経営であると考えております。サービス産業でありますから、その顧客、つまり市民の皆様の一人一人の声にこたえる市政運営、言いかえれば、市民が主役のまちづくりを推進することが必要であります。そこで、その具体的な取り組みとして、市民ができること、行政ができること、そして市民と行政が力を合わせてできることについての相互理解を深めるとともに、地域の魅力や理想像、あるいは課題を明らかにし、今後の市政運営に生かすために、市民との対話事業の一環として、ことし1月から既に開始しているタウンミーティングを引き続き開催いたします。また、真の地方分権型社会に向けて、みずからの判断と責任において、自主的かつ総合的に行政サービスを展開していくためには、職員の能力向上や意識改革が必要であり、今後とも、能力や実績主義に基づき、少数精鋭の効率的な組織運営に努めるとともに、事務事業の見直しや歳入の増加策に取り組むなど、徹底した行財政改革についても積極的に推進し、市民の皆様の理解と納得を得られる役所づくりを進めてまいります。加えて、学校現場の教職員が抱えるさまざまな悩みについて相談を受け、適切な指導・支援を行うことにより、教職員自身が健全な心身を持って生き生きとした教育活動を通じて、児童生徒の健全な育成に当たることができるよう、教職員こころの相談事業を新たに実施いたします。 次に、2つ目の柱である「誇れることばで笑顔に」であります。申し上げるまでもなく、人と人をつながくコミュニケーションにおいて、根幹をなすのは言葉です。言葉は、時に人を勇気づけ、時に人を傷つけます。私は、20年間、マスコミの人間として、言葉にかかわる仕事に携わってまいりましたので、それだけ言葉に対しては人一倍こだわり、あるいは思い入れがございます。そこで、松山ならではの言葉を生かしたまちづくりにも積極的に取り組むこととしております。まず、去る20日に審査発表を行いました「だから、ことば大募集2010」で選ばれた作品を、路面電車や市内観光施設などに展示するとともに、今や松山の夏の風物詩へと成長を遂げた俳句甲子園も、より多くの高校からの参加を呼びかけながら開催するなど、ことばのちからイベントを引き続き積極的に展開してまいります。加えて、昨年7月からことし6月までに募集期間となっている第12回坊っちゃん文学賞について、秋に大賞と佳作の審査発表及び表彰式を開催するほか、開館30周年を迎える子規記念博物館において、正岡子規の魅力を再確認できるような各種事業を展開し、あわせて、松山でしか体験することのできない「まち歩き」をテーマとした滞在プログラム、いわゆる松山はいくの開発や専門ガイドの養成に引き続き取り組むなど、言葉を大切にするまちである松山市を全国に向けて発信していくことといたしました。また、私は、常々、子どもたちのコミュニケーション能力の向上を図りたいと考えております。このため、私みずから市内各小中学校の児童会や生徒会などに直接出向き、いじめ問題や未来の松山のあり方などについて話し合い、直接子どもたちと接する中で、自分の意見をきちんと主張できるような子どもたちを育てていくことを目指し、小中学校スクールミーティングを新たに開催するとともに、本格的なグローバル社会の到来に対応して、コミュニケーションの道具としての英語を使いこなすことを目標に、英語教育の活性化を図るため、中学生の学年別に英語暗唱コンテストを実施することといたしました。そのほか、農業や文化など、さまざまな体験学習を通じて豊かな人間性や職業観などを養いながら、子どもたちのコミュニケーション能力の向上を図るための事業も引き続き展開することといたしております。 次に、3つ目の柱である「誇れるまちの安全・安心で笑顔に」であります。水は、命の源であり、市民生活の安全・安心の確保という点において、水の確保は非常に重要であることから、これまでどおり、西条市の水を守ることを第一義に、誠意を持って分水問題に取り組んでまいります。また、雨水利用の普及を促進させる事業や、節水型機器の購入助成など、これまで取り組んできた節水型都市づくりを引き続き着実に推し進めるとともに、渇水のおそれがある場合には、早目早目の対策を講じてまいります。また、新西クリーンセンター建設やJR松山駅周辺整備、あるいは松山外環状道路を初めとする幹線道路網の整備など、50万都市にふさわしい都市基盤整備を着実に進めていくこととしております。さらに、災害に強いまちを目指す取り組みとして、すべての自主防災組織に防災士を配置するため、防災士養成講座を開催するとともに、学校施設を利用する児童生徒あるいは地域住民がふだんから安心して利用できるよう、引き続き小中学校校舎の耐震化を進めることといたしております。また、公民館や消防団のポンプ蔵置所に加え、震災による被害が大きいと予想される地域の水道基幹管路や配水支管あるいは下水道管渠などの耐震化につきましても、計画的に取り組んでまいります。 次に、4つ目の柱である「誇れる子育てで笑顔に」であります。これまで、小学校就学前の児童を対象に実施していた医療費助成について、本年9月から小学校3年生までの入院費についても、新たに助成することにより、安心して子育てができる環境づくりを推進し、子どもの健康の保持と福祉の増進を一層図ることといたしました。また、関係する皆様方の御尽力により実現しております24時間365日の小児救急医療体制につきましても、引き続きその体制を維持することができるよう、必要な措置を講ずることといたしました。また、新たな取り組みとして、保育所待機児童の解消を目指し、あわせて世代間交流の促進や商店街の活性化を図るため、空き店舗を活用した保育事業などに関する調査を実施することとしたほか、地方裁量型認定こども園に対する補助を拡充し、児童が充実した保育を受けることができる環境整備を図ることといたしました。さらに、家庭や地域住民の協力も得ながら、モデル的に保育所や幼稚園の園庭を芝生化し、園児や地域の親子が伸び伸びと遊べる場を整備し、子どもの豊かな感性の醸成を図ることといたしました。また、社会問題ともなっているいじめや児童虐待、あるいは不登校への対策として、いのちを守る相談活動やいじめゼロミーティングなど、子どもが安心して学校生活を送ることができるよう、引き続き支援を行うとともに、近年いじめや非行、不登校などの背景に、児童虐待や家庭環境に起因する問題が数多く見られるなど、これまで以上に福祉と教育両機関の連携による対応が必要となっている現状を踏まえ、総合的な相談体制を構築してまいります。 次に、5つ目の柱である「誇れる福祉・医療で笑顔に」であります。私たちの先輩や障がいのある方が生き生きと暮らし、気軽に外出することができることを目指し、ひとり暮らしや家の中に閉じこもりがちな高齢者の生きがいづくりや介護予防を行い、あわせて地域におけるコミュニティ形成を図るふれあいいきいきサロンの事業内容を拡充するとともに、新たな取り組みとして、障がい者の雇用、就労支援策及び循環型社会への意識啓発の一環として、環境、農業分野における就労の支援を行うことといたしました。また、予防医療充実の観点から、妊婦の口腔疾患及び低体重児出生の予防を図るために、妊婦が個別医療機関にて公費負担で歯科健診を受診できる体制を整えるとともに、今月15日から開始している子宮頸がん等ワクチン接種について、来年度も引き続き公費負担により実施することにより、市民の健康保持及び増進を図ることといたしました。 次に、6つ目の柱である「誇れるまちの長所を活かし笑顔に」であります。農林水産物の市場における価格は、長らく低迷状態が続いておりますが、まつやま農林水産物ブランド化推進協議会において、全国に誇れる高品質な松山産の農林水産物として認定されております紅まどんなやせとかなど9品目については、堅調な売り上げを見せております。そこで、さらなる認知度の向上、販路の開拓及び消費拡大を目指し、新たな取り組みとして、各地で開催される観光物産展や試食会などのイベントにおいて、私が先頭に立ってトップセールスを行い、まつやま農林水産物ブランドを全国発信するとともに、農林水産物の産地である本市に多くの観光客が来ていただけるようPRすることといたしております。また、松山で収穫されたしゅんの野菜などの食材を一堂に集め、その場で見て、食べて、学ぶ、まつやま農林水産まつりを引き続き開催し、松山産の農林水産物の魅力を発信することといたしております。さらに、市内中心部のにぎわい空間を整備し、まちの魅力向上を図るため、城山公園において、農林水産物ブランド品とともに産業加工品も含めたさまざまな産品を市の内外にPRする機会として、新たにまつやま産業まつりを開催し、松山の産物を知ってもらい、人を招く、地産知招の取り組みを進めることとしております。また、これまで学生を対象とした修学旅行誘致に取り組む中で培ったノウハウや関係業界とのネットワークを生かし、企業を対象とした社員研修旅行の誘致にも先進的に取り組むことといたしました。さらに、温室効果ガスの排出削減を促進するため、庁舎内の省エネ化を図るとともに、年間の日照時間が長いという地域特性を生かし、青少年センターや松山中央公園多目的競技場などの市有施設に太陽光発電システムなどを設置するほか、電気自動車の普及に対応するため、電気自動車用の急速充電器を設置することといたしました。また、スポーツが人とまちとを元気にするというコンセプトのもと、スポーツコンベンションなどの誘致やプロスポーツ支援を一体的に展開し、従来の観光振興施策とあわせて交流人口の拡大を目指すとともに、市民が気軽にスポーツに親しめるような環境整備を行い、スポーツによるまちの活性化への取り組みを引き続き行うこととしたほか、平成29年度に開催が予定されている愛媛国体に向けた準備作業に取りかかることといたしました。さらに、中心市街地の活性化を目指した商店街などの建物更新を促す取り組みを行うほか、ICT(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー)、いわゆる情報通信技術の活用や産官学の連携により、新規産業を育成し、雇用創出を目指すため、本市が他地域に先駆けて整備したネット網を生かした電子商取引活性化の支援を新たに実施するとともに、中小企業支援の一環として、低利の資金融資を実施するため、金融機関への預託金の積み増しを行い、資金融資枠の拡大を図ることといたしました。 最後に、7つ目の柱である「誇れる地域の宝を磨き笑顔に」であります。これまで本市が展開してきた坂の上の雲のまちづくりを継承する中、坂の上の雲フィールドミュージアム構想のサブセンターゾーン活性化を目指し、市民や観光客のニーズにこたえられる三津の朝市とするため、新たに調査研究に取り組むとともに、既存施設のさらなる活用を目指し、松山総合公園の活性化策の検討を行うことといたしました。また、本市の重要な観光資源である道後温泉や松山城のブランド力をさらに高め、国際観光温泉文化都市として、観光交流客600万人を目指すために、旅行会社の商品企画段階から参画することにより、魅力ある松山旅行商品の開発を促進するとともに、着地型観光の活性化を目指し、地域資源などをテーマとした観光まちづくり講座を開設するなど、多くの市民や関係団体を巻き込み、地域一丸となった取り組みを行うことにより、観光産業全体の活性化を目指すことといたしました。また、北条地区や島嶼部について、新たな視点からの活性化を図るため、北条地区においては、今あるものを有効に活用し、「昭和」をキーワードとした地域の魅力アップにつながる風早レトロタウン構想の策定を検討するとともに、島嶼部においては離れた島の離島ではなく、訪れた人が愛する懐かしいふるさとを感じられるような里の島である里島を目指し、活性化の指針となる愛ランド里島構想の策定に着手することといたしました。 以上、公約に関連する事業を中心に御説明申し上げました内容が、平成23年度当初予算案に関する主要な事項でございますが、そのほか別号議案といたしましては、本市独自の保険料軽減措置を継続するなど、国民健康保険制度に関する所要の規定を整備する松山市国民健康保険条例の一部改正や市営駐車場の駐車料金の引き下げなどを行い、利便性及び利用率の向上を目指すための松山市駐車場条例及び松山城山索道条例の一部改正などの案件について御審議をお願いする予定であります。 引き続き、今回同時に提案いたしました平成22年度3月補正予算案について概要を御説明いたします。今回の補正予算案の総額は、一般会計で46億2,028万8,000円、特別会計では国民健康保険会計や介護保険会計、道後温泉会計で4億7,660万4,000円、総額50億9,689万2,000円の補正額であり、その結果、補正後の全会計の累計額は3,593億3,652万円となっております。補正の主な内容といたしましては、緊急的な経済対策を早期に実施するため、国の交付金も有効に活用しながら、市道の舗装補修工事などを初め、下水排水路や農道などの整備、あるいは市営住宅の耐震補強及び駐車場整備など、10億円規模の市単独事業を平成22年度事業として新年度当初予算を前倒して実施することにより、地域経済の下支え、活性化を図ることといたしました。また、将来の財政負担を見据え、観光開発等産業活性化基金やのびのび教育推進基金などにおいて、今後の事業実施に備えた積み立てを行うことといたしております。さらに、愛媛県の土木建設事業に係る負担に所要の措置を講じることとするほか、平成22年度事業の繰越明許費補正などを行うことといたしました。 以上が概要でございますが、これらの議案の詳細につきましては、議事の進行に伴い逐次御説明を申し上げてまいりますので、十分御審議をいただき、適切なる御決定を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。 ○田坂信一議長 次に、山内教育長。 〔山内 泰教育長登壇〕 ◎山内泰教育長 平成23年第1回定例会におきまして、教育行政各般について御審議をいただくに当たり、所信の一端を申し上げます。 近年、少子高齢化、国際化、情報化などの急激な進展や地域コミュニティーの希薄化などにより、子どもたちを取り巻く環境は大きく変化しております。また、子どもの学ぶ意欲や学力・体力の低下、いじめ・不登校などの問題行動、また家庭の教育力の低下、さらには、教職員の資質の向上などさまざまな課題が指摘されているところであります。こうした社会的背景を踏まえ、次代を担う子どもたちを健やかにはぐくむためには、学校、家庭、地域、そして行政が一体となった横断的かつきめ細やかな教育の推進や、すべての子どもが自立し、人生の基盤となる生きる力を育成することが、将来の松山にとって重要であります。そのためには、まずは教師が保護者や地域の皆様との連携のもと、時にはよき相談者として、またあるときは子どもたちの壁になり、毅然とした訓育的な指導を行い、温かいまなざしとみなぎる情熱を持って接することが大切であります。子どもたちが勉学を初め部活動など、あらゆる場面で喜びや達成感を教師と共感できる、笑顔あふれる学校づくりに邁進していかなければならないとの基本的な考えを持って取り組んでいるところであります。そこで、本市におきましては、第5次総合計画や第2次まつやま教育プラン21を踏まえ、子どもたちのコミュニケーション能力向上を目指し、学校現場や地域からの要請に合っためり張りのある施策を積極的に展開してまいりたいと考えております。なお、施策の推進に当たりましては、私が教育長就任当初から大事にしております市民目線で常に学校や地域と密接にかかわり合いながらスピード感を持って適切に対処してまいります。 それでは、平成23年度における主な施策について御説明をいたします。まず、学校教育分野につきましては、郷土愛や豊かな心をはぐくむために、松山ゆかりの先人や松山ならではの伝統文化を素材とした小中学生向けの教材を作成し、ふるさと松山に対する誇りと愛情をはぐくみ、高めるとともに、学校独自の創意工夫を生かした教育活動を支援するニュードリームプランをさらに拡充するなど、松山市ならではの特色ある教育を推進してまいります。また、キャリア教育の充実につきましては、職場体験学習等の充実に加え、言語に関する能力やコミュニケーション能力を高めるため、中学生が新聞記者から指導を受けながら取材をし、新聞紙面を制作する新聞制作体験学習の一層の充実を図ってまいります。さらに、市長を交えて未来の松山のあり方などの課題について、小中学校の集会等で話し合う小中学生スクールミーティングを新年度から実施するとともに、英語や文化について体験的な理解を深め、積極的にコミュニケーションを図る子どもを育てるため、新たに中学生の英語暗唱コンテストを実施するなど、子どもたちのコミュニケーション能力のさらなる向上に努めてまいります。特別支援教育につきましては、特別支援学級に在籍する児童生徒や通常学級在籍の肢体不自由・難聴などの障がいに加え、発達障がいの子どもも対象に、その特性に応じて支援する学校生活支援員を新たに増員し、一人一人のよりよい教育を確保し、豊かな学校生活を過ごせるように努めます。 次に、いじめ問題への対応につきましては、教職員・保護者・地域関係者との連携を行いながら、子どもたちみずからが身近な人間関係を築いていけるよう、いじめゼロミーティングやいのちを守る相談活動等を実施し、子どもが安心して学校生活を送ることができるよう支援し、いじめの根絶を目指します。さらに、未来を拓け!松山こどもリーダーズ事業により、いじめ問題や未来の松山について話し合い、きずなを深めることによって、次代の松山を担う小中学生のリーダー育成に努めてまいります。 次に、不登校や問題行動対策につきましては、困難・複雑化する子どもの問題に適切に対応するため設置しました松山市子ども総合相談の中で、福祉と教育の連携体制をさらに充実させ、総合的な家族支援に取り組んでまいります。特に、発達障がいへの対応につきましては、いじめや不登校、問題行動など、2次障害との関連が深く、その特性を踏まえたきめ細やかな相談支援が必要であり、個別のニーズに基づいた教育的支援や指導を行うことが重要でありますことから、特別支援学校教員、臨床発達心理士の有資格者など、発達障がい児への対応に関する専門的な知識や豊富な経験を有する者を新たに配置し、人員体制の充実に努めるとともに、松山市特別支援教育推進協議会において、各関係機関と一層の連携を深め、適切かつ効果的な支援体制の充実につなげてまいります。 次に、学校の教職員の研修につきましては、教職員の資質向上のため、効果的な指導方法や教材の開発、指導カリキュラムの研究を行うほか、昨年度、全小中学校に配置した地デジ対応大型テレビや電子黒板などのICT機器をより積極的に授業で活用するため、教育研究所の機能強化を図るなど、引き続き指導力向上に努めてまいります。さらに、学校現場の教職員自身の抱える心の問題は、児童・生徒への影響が極めて大きいため、新年度から教職員が抱えるさまざまな悩みについて相談を受け、教職員自身が健全な心身を持って教育に携わることができるよう、こころの相談窓口を開設し、教職員の生き生きとした教育活動につなげてまいります。 次に、学校施設につきましては、児童生徒の安全確保に加え、災害時の地域住民の避難所であることから、松山市学校施設耐震化推進計画に基づき、校舎の耐震化に積極的に取り組むとともに、事業における国の財源の確保につきましても、あらゆる機会をとらえ、国への要望等を行ってまいります。また、公民館施設につきましても、耐震診断で補強が必要とされている公民館8館について、計画的に耐震改修を行うこととし、まずは東雲公民館の耐震補強工事を実施いたします。 次に、社会教育分野におきましては、各公民館で実施しております生涯学習振興事業やオンリーワンのふるさとづくり推進事業に加え、放課後子ども教室の拡充による子どもの学力向上と安心な居場所づくりを引き続き推進するとともに、北条立岩地区、中島地区、坂本地区で行ってまいりました体験学習を通じた人間力育成事業に、新年度からは新たに興居島地区を加え、子どもの社会性や豊かな人間性をはぐくむとともに、地域の活性化を図ります。また、小説「坂の上の雲」の登場人物にスポットを当てた夢・紙芝居事業につきまして、市内観光スポットで観光客へ紙芝居を上映するとともに、本年8月に本市で開催が予定されております第12回全国紙芝居まつり松山大会に向けた活動を行ってまいります。 次に、青少年教育におきましては、家庭や学校、市民団体、企業等が連携・協力し、子どもの安全対策など、社会全体で子どもをはぐくむことを目的として設立された青少年育成市民会議と連携し、子どもを社会全体で健やかにはぐくむ意識の高揚をより一層図るため、普及啓発等に取り組みます。 次に、文化財の保護におきましては、埋蔵文化財の発掘調査に取り組み、国指定史跡・久米官衙遺跡群等の保存活用を図るほか、葉佐池古墳について遺構の保護を図るとともに、整備手法や活用方法について検討を進め、国指定史跡としての整備、公開、活用を目指します。また、松山市独自の地域民俗文化財であります伊予絣に関して、伝統的な技術を調査記録し、国の登録有形民俗文化財への登録を目指すための基礎資料づくりに着手をいたします。 次に、子規記念博物館では、新年度には開館30周年を迎えることから、改めて正岡子規の魅力を再確認し、その生涯を追体験できるような各種記念事業を実施するとともに、俳都まつやまの魅力を積極的に全国発信し、一過性のイベントで終わるのではなく、観光客、市民、俳句ファン等のさらなる入館者増を目指してまいります。 次に、市立図書館では、幼児から高齢者まで気軽に利用できる魅力ある図書館づくりを目指し、資料の充実を図るとともに、平成22年度に改訂したまつやま子ども読書活動推進計画に基づき、子ども読書推進のための各種事業を実施し、図書館サービスの向上に努めてまいります。また、秋山兄弟や正岡子規などに関する当時の新聞記事等の郷土資料をデジタル化することにより、坂の上の雲ミュージアムや子規記念博物館への情報提供の迅速化や利用者への情報サービスの促進と図書資料の活用保存を目指してまいります。 最後に、保健及び体育面につきましては、メンタルヘルスやアレルギー疾患、さらには喫煙、薬物乱用、感染症など、健康課題に対応する学校保健事業を推進し、児童生徒の生活習慣の改善に努めるとともに、養護教諭の研修を強化し、資質の向上を図ります。特に、体育面につきましては、平成24年度の中学校の武道必修化に向けて、学校現場の指導者と外部指導者との連携を深め、指導力の向上に努めるとともに、運動部活動に外部指導者を派遣するなど、体力、競技力の向上に努めてまいります。さらに、学校給食では、引き続き地産地消やアレルギー対応に取り組み、よりよい学校給食を推進するほか、欠食、偏食、孤食といった食生活を取り巻く諸問題の解決に向け、食育の推進に努めるとともに、北条地区9校すべての給食の調理が可能な(仮称)北条学校給食共同調理場を平成25年度の供用を目指し、計画的に事業を進めてまいります。 以上、教育行政の基本的な考え及び主な施策を申し述べました。諸施策の実施に当たりまして、議員各位の御理解と御支援を賜りますようよろしくお願いをいたします。 ○田坂信一議長 次に、渡辺公営企業管理者。 〔渡辺滋夫公営企業管理者登壇〕 ◎渡辺滋夫公営企業管理者 平成23年度当初予算の御審議をお願いするに当たり、水道事業、簡易水道事業及び工業用水道事業の業務計画について、その概要を申し上げます。 水道事業は、住民に最も身近で日常生活や都市活動に欠かせない社会資本であり、安全・安心な水の安定供給を行うことは、事業者に課せられた使命であります。近年、事業を取り巻く経営環境は、国と地方の財政悪化や長引く景気の低迷などを背景に厳しさを増しておりますが、安全・安心という責務を果たし、お客様の信頼におこたえするため、本市公営企業局は大きな変革を遂げてまいりました。1つは、公営企業局始まって以来の経営改革を断行したことであります。業務のアウトソーシングやDBO方式による膜ろ過施設の建設と維持管理など、積極的に民間活力を導入したことにより、コスト削減と組織のスリム化を達成し、実質ベースで赤字基調であった水道財政は、合併に伴う料金制度統一を除けば、事実上、料金値上げを行うことなく黒字基調に転換いたしました。いま一つは、合併に伴う給水区域の拡大と簡易水道の経営であります。合併時には、松山市上水道に比べまちの安全・安心という点で立ちおくれていた北条地区と中島地区について、合併協定に基づき可能な限り有利な財源スキームを活用することで、コストアップを抑えながら合併建設計画に上げられた施設整備を重点的に実施してまいりました。この結果、両地区の水道施設は随分レベルアップし、安全性は大きく向上いたしました。新年度は、合併建設計画の総仕上げに取りかかる年と位置づけており、北条地区においては、北条上水クリプトスポリジウム対策事業に、中島地区においては、怒和地区簡易水道生活基盤近代化事業に着手することといたしております。また、久谷地区簡易水道の運営も、企業局が新たに担い、経営効率化を図ってまいりました。しかしながら、財政基盤が脆弱であるがゆえに、中島地区などと同様に、水質悪化や施設の老朽化といった問題を抱え、その対応が急がれておりました。そこで、抜本的な改善策として、新年度からは上水道に統合した上で統合整備事業に着手することといたしました。これら3つの事業を完成させることにより、本市が経営する水道施設の格差は是正され、水道に関する合併時の懸案事項はおおむね解消できるものと考えております。このように、本市公営企業局は、10年前には考えられないほど業務範囲が拡大していることに加え、管理基準の強化など、内容は複雑さを増しております。さらに、次世代に誇れる水道を引き継いでいくためには、昭和40年代後半から50年代にかけて建設された水道施設の大量更新や、今世紀中に発生が確実視されている南海地震等の震災対策など、課題は山積しております。私は、これらの課題を乗り越えられる財政力や組織力は、これまでの経営改革等を通じて強固なものになりつつあると自負しており、今後は平成21年3月に策定した水道ビジョンまつやま2009に掲げている水道事業が目指すべき将来像を具現化するため、職員一丸となって取り組んでまいる所存であります。 以下、新年度の主要事業について順次御説明申し上げます。最初に、水道事業主要事業についてであります。まず、節水型都市づくりの推進のための関連事業費として1億1,636万9,000円を計上し、漏水調査を実施するほか、給水圧コントロール施設の計画的な更新を行い、全国的にもハイレベルな有収率を維持することとしております。また、上水道等の整備のための関連事業費として26億4,062万6,000円を計上し、先ほど申し上げました久谷地区簡易水道統合整備事業や北条上水クリプトスポリジウム対策事業に着手するほか、老朽施設の更新を計画的に実施、さらには北条地区の水道管路網の整備等を行うこととしております。また、危機管理の充実のための関連事業費として13億7,790万円を計上し、平成25年度までの時限措置となっている水道管路の耐震化に対する一般会計からの繰り出し措置を可能な限り有効活用しながら耐震化を進めるとともに、基幹浄水場や主要な配水池についても、優先順位の高いものから順に耐震化を実施することとしており、平成27年度末には、浄水施設耐震率を100%に、配水池耐震施設率を80%にまで引き上げることを目指しております。さらに、鷹子第2配水池に接続しているダム表流水と地下水とを相互に融通する連絡管を、鷹子第1配水池にまで延伸することといたしました。この連絡管整備が完了いたしますと、災害時には従来の椿地区や石井地区などに加え、久米地区や窪田地区など、西は平井、水泥の一部まで、南は重信川までの市南部区域を広範囲にカバーすることとなり、給水の安全性が飛躍的に高まると考えております。 次に、簡易水道事業についてであります。平成22年度までは、中島本島の施設整備を中心に進めてまいりましたが、これが一段落いたしますので、新年度からは老朽化が著しい怒和地区の簡易水道事業に着手することとし、事業費として4,929万7,000円を計上しております。 最後に、工業用水道事業についてであります。工業用水道の施設整備といたしましては、震災対策事業費として2億7,672万円を計上し、かきつばた水系からユーザー各社に送水している口径700ミリの工業用送水管について、松山外環状道路事業の進捗に合わせて整備を進めておりますほか、2億3,928万7,000円を計上し、老朽化した電気施設の更新工事などを実施することとしております。 以上が業務計画の概要でありますが、新年度も災害に強いまちを目指すとともに、市民の皆様に安心して飲んでいただける安全な水を安定的にお届けできるよう、全力を挙げて前向きに取り組んでまいりますので、議員各位におかれましては、今後とも御理解、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。 以上で、説明を終わります。 ○田坂信一議長 以上で、所信表明並びに提案理由の説明は終わりました。   ──────────────── ○田坂信一議長 以上で、日程は全部終了いたしました。 お諮りいたします。明日2月24日から3月2日までの7日間は、議案研究等のため休会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○田坂信一議長 御異議なしと認めます。したがって、2月24日から3月2日までの7日間は、休会することに決定いたしました。 3月3日は定刻から会議を開きます。   ──────────────── ○田坂信一議長 本日は、これをもちまして散会いたします。       午前11時0分散会    ────────────────────────────────    地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。                    松山市議会 議  長  田 坂 信 一                          議  員  杉 村 千 栄                          議  員  宮 内 智 矢...